原文入力:2011/10/06 19:27(1670字)
温州は一攫千金を追う資本主義の縮小版だ
パク・ミンヒ北京特派員
"かつて温州商人は困難に耐え仕事をしたが、今は製造業など実質的事業を捨てて不動産投機など虚構の経済だけに没頭していた。皆が夫は工場を経営し夫人は不動産投機することを富への近道と感じるようになった。"
中国東南部の港町、温州が高利貸金に絡む‘中小企業社長夜逃げ’事態で沸きかえっている。チョウドウォン温州中小企業連合会会長は去る30余年間にわたる温州商人らの‘堕落’にその根を求めた。
連日、中国言論の主要ニュースとして登場している温州民営中小企業破産ラッシュの直接的原因は、中国政府の緊縮政策による資金梗塞、不動産バブル崩壊、米国・ヨーロッパ経済危機による輸出注文の急減だ。銀行貸出が引き締められるや企業家は先を争って利率が年100~200%まで暴騰した高利貸金を借りて使い利子も返せなくなると企業の門を閉めて逃走したり自殺した。去る6ヶ月間、温州から夜逃げした企業家が80人を越える。4日には温家宝中国総理が直接温州を訪ね、銀行の中小企業貸出拡大を促しもした。
浙江省最南端の都市、温州は中国民営経済を代表する都市だ。伝統的に人口が多く耕作する土地は少なく痩せた土地だったこちらで人々は辛抱強く商売をして‘温州商人’の名声を生んだ。文化大革命の嵐が吹き荒れていた1970年代後半にも温州の人々はこっそりと作業場で物を作り売る‘地下市場経済’を拡大した。1978年に中国の改革開放が始まると温州商人は中国最初の民営企業を設立し家族皆が夢中になって日用品を作り売って大金を稼いだ。温州の靴、ライター、メガネなどの製造業は世界市場の強者であった。人口200万人の温州に36万の中小企業があり、外地に出て行き作った企業も多い。鄧小平は「私たちは温州の冒険家たちに感謝しなければならない」とまで言った。
最近数年間‘温州モデル’は大きく変わった。温州商人は工場は差し置いて国内外の不動産と鉱山など一攫千金を握れる所に集まった。‘温州不動産投機団’は全国主要都市を歩き回り高級アパートを一気に手に入れ、ドバイなど海外不動産にも巨額を注ぎ込んだ。温州のある企業家は最近 中国言論に「1000人余りの労働者を雇用し工場を経営して得られる利潤が年に100万中国元にもならないが、妻が上海に家10軒を買ったところ8年で3000万中国元以上を儲けた」と話した。住民たちは残った資金を高収益が保障される私債業に先を争うように投資し‘金融産業’も育てた。温州住民の60~70%は私債業と関連しているという報道が出ている。手軽に稼いだ金があふれ出て温州の人々はベンツやアウディの最高級大型車を購入し、ブランド物の衣類と最高級フランス産ワインを楽しんだ。
中国政府が今年に入り強力な不動産規制政策と銀行貸出の統制に乗り出し温州のバブルが弾け始めた。温州は氷山の一角に過ぎず、江蘇・浙江・広東・内モンゴル一帯の民営企業がどこも同じ問題を抱えており年末と来年初めの春節(正月)が近づけば倒産が各地に急激に広がるだろうという‘ハードランディング’予告も出ている。
温州は去る数十年間、韓国をはじめ全世界を覆った一攫千金を狙う資本主義の縮小版だ。私たちが皆 憧れ群がっていった道でもある。成長動力が低下した資本主義の収益を極大化させるために金融と不動産バブルを育て少数の人間が富を独り占めにし、金融と不動産バブルの膨張について行くことができない人々の苦痛は大きくなった。温州の繁栄は中国経済のバブルと社会を脅かすまでに広がった貧富格差のまた別の顔だった。温州の没落は、もはやその道を進むことはできいないという陰うつな警告だ。 minggu@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/499595.html 訳J.S