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[社説]教育自治を傷つける教育長直選制廃止は許されない

登録:2011-09-01 15:12
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/494252.html

原文入力:2011/08/31 18:52(1078字)


教育長直選制廃止論が政界と教育界の新しい争点に浮上した。ハンナラ党少壮派の集いである‘新しいハンナラ’は教育長および教育委員直選制を廃止し広域自治団体長が議会の同意を得て任命するようにする地方教育自治法改正案を発議することを決めた。イ・ジュホ教育部長官も数日前、記者懇談会で「市長候補が教育長候補を指名する共同登録制(ランニングメイト制)がはずみをつけるだろう」と話した。

結論から言えば教育長直選制廃止やランニングメイト制の導入は教育自治の精神を傷つけ教育を政治の付属物に転落させる危険が高い非常に不適切な発想だ。教育長選挙を含むすべての直選制選挙はその属性上、多少雑音が伴う場合もあるが、それは民主主義のために支払わなければならない費用でもある。直選制廃止議論を触発したクァク・ノヒョン ソウル市教育長事件も同じだ。事件の正確な実体もまだ明らかにならない上に、直選制の副作用があらわれたといっても適切に補完していけば良いことだ。一つの事件を針小棒大にして制度自体をなくそうということは牛の角を矯めて牛を殺すことだ。


政府与党が直選制廃止の根拠に掲げている高費用問題からしてそうだ。候補者の財政負担を減らす方案を研究する必要はあるが、費用問題が直選制廃止の理由にはなれない。選挙公営制をより一層拡大し、選挙費用補填に必要な有効投票得票率基準を多少緩和するなどの制度改善余地は多い。ハンナラ党が選挙法を改正し候補単一化を規制する方案まで検討するという便りはより一層あきれる。決選投票制導入など制度的改善策があるにも関わらずこういう話を取り出す政治的底意が疑わしい。


今の地方自治教育法は憲法に明示された教育の自主性、専門性、政治的中立性を確保するために長い討論と研究の末に用意されたものだ。したがって教育自治の本質的内容を傷つけることはいかなる場合にもあってはならない。市・道知事による教育長任命は‘教育の一般行政からの分離’という教育自治の基本精神に正面から逆らうことだ。ランニングメイト制もやはり教育長候補が党籍を持ち選挙に臨むほかはないという点で教育の政治的中立性に背馳する。今は教育長直選制廃止を議論する時ではなく、今やっと咲き始めた民選教育長時代がもう少ししっかりと根をおろせるよう知恵を絞り出す時だ。


原文: 訳J.S