原文入力:2011/07/04 19:03(1749字)
白善燁(ペク・ソンヨプ)が活躍した
間島(カンド)特設隊の蛮行は
口にすることさえはばかられる
←チン・ジュングォン文化評論家
"悠久な歴史と伝統に輝く我ら大韓国民は3・1運動で建立された大韓民国臨時政府の法統と、不正に抵抗した4・19民主理念を継承し" 憲法前文に‘大韓民国’を支える歴史的記憶が明記されているにも関わらず、共同体の‘歴史的記憶’を覆そうとする極右派の妄言が堂々と公営放送から流されたことは実に衝撃的だった。あふれる非難にも関わらず<韓国放送>(KBS)はとうとう親日派を美化する放送を流してしまった。
白善燁は間島特設隊の隊員として活躍した。‘間島特設隊’とは満州地域の独立軍を討伐した日帝の特殊部隊であり、日帝の傀儡政権 満州国の参議院議員を務めた親日派 李範益(イ・ボムイク)が‘朝鮮人は朝鮮人が討伐しなければならない’という奥深い哲学(?)の下に設立した部隊だという。延辺の作家リュ・ヨンサンが書いた<一松亭(イルソンジョン)には先駆者がいない>という本には、当時にこの人間屠殺人どもが同胞たちにどういうことをしたのかが赤裸々に描写されている。
青菜を摘む人々を捕まえ火をつけ殺し、戦死した抗日部隊員の内臓を抉り出し自分たちの忠魂碑に法事を行い、捕虜に囚われた抗日部隊員を日本刀で斬首し切った頭を持って記念写真を撮り、抗日部隊員を匿った村の元老を殺害しその頭を茹で頭蓋骨を装飾品にするなど、とても口にすることさえはばかられる蛮行を犯したのが彼らだった。
あえて親日か反日かを問い詰める以前に、この人間のクズどもは彼らが犯した蛮行の質的水準だけでもナチのように戦犯裁判に回付され人類の審判を受けるべきだった。問題は白善燁が自分たちの犯したこの蛮行について 些かも反省や謝罪をしたことがないということだ。彼の自叙伝にはこの部分がとても自慢気に描写されている。
"同時に小規模ながらも軍規が備わった部隊だったので、ゲリラを相手に大きな戦果を上げたことも当然のことだった。" 自分たちが軍規を備えた小数精鋭だったという自慢だ。「我々が追撃したゲリラの中には多くの朝鮮人が混じっていた。主義主張が違うとは言え韓国人が独立のために戦っていた韓国人を討伐したことなので…」 ここでは親日と抗日は単に政治的見解の違いであり、すなわち主義主張の差として相対化される。
彼は続けて 「以夷制夷を掲げた日本の策略に完全に嵌った局面」だったと話し、それをこのように弁解する。「しかし我々が全力を尽くして討伐したので韓国の独立が遅れたわけではなく、我々が裏切り反対にゲリラとなって戦ったならば独立が早まったとも言えないだろう。」軍規を備えた小数精鋭部隊として輝かしい戦果を上げたと自慢した声が、この点については突然謙虚になる。
あきれるのはその後だ。「主義主張はどうであれ、民衆のために一刻も早く平和な生活ができるようにすることが剣を持つ者(=軍人)の使命だと考えるほかはなかった。」ここで反民族的親日行為と反倫理的蛮行は民生の安定を図る平和主義的任務となる。間島特設隊が突然に国連平和維持軍に化けたわけだ。ここまで来れば今韓国放送でどんなことをしたのかが理解出来るだろう。
韓国放送のこういう親日行為は、もちろんキム・インギュ社長と関連があるだろう。実は彼の人生哲学自体が大韓民国が継承する理念、すなわち「不正に抵抗した4・19民主理念」への背信だと見える。その方はマスコミ界で第5共和国と全斗煥を称賛するリポーターとして名声が高いためだ。<朝鮮日報>のキム・デジュン顧問は口先だけとは言え反省と謝罪をしたが、この方が謝罪や反省をしたという話は聞いたことがない。
これで公営放送を通じて強行される記憶の修正がどのような根から出たのか明らかになっただろう。今、私たちに必要なことは極右派の歴史修正主義妄動に対抗し憲法の記憶を守ることだ。
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/485750.html 訳J.S