原文入力:2011/07/03 19:26(1145字)
イ・ミョンバク大統領が数日前「天安(チョナン)艦爆沈と延坪島(ヨンピョンド)事態で不安な情勢が造成されたが、私たちはそこに留まっていることはできない」と言った。また「信頼を回復することができるよう真正性と責任性を持って対話と協力の道に進まなければならない」と言った。一見、対北政策の基調を変えるということのようだが、そうでないかも知れない。 実際に政府の一部当局者は「6者会談再開を願う国際社会の流れに合わせて、わが政府も対北政策を伸縮性をもって展開するということ」と解釈する一方、他の当局者は「北はこれ以上 過去に固執せずに天安艦・延坪島問題について潔く謝れという意味だ」と解釈する。
こういう状況は実に問題だ。大統領の発言について南側の当局者の間でも解釈が交錯しているというのに、北側が一体どんな方法で理解して相応する行動を取ることができようか。韓半島問題関連当事国らも同じように混乱を覚えるだろうと思われる。 大統領の対外関係発言は何よりもまず明瞭でなければならない。 それでこそ相手方に誤解を生じさせずに真意を伝達することができる。とりわけ現政権になって南北間に不信が最高度に深まっているだけに、その必要性はより一層大きい。
大統領が曖昧な話法を駆使する背景は察するに難くない。 現政権の対北圧迫政策はますます限界が明確になっている。 北の態度変化を引き出すどころか、国際社会の流れが韓半島問題と関連して対話を再開しようという方向に向かっていく中で、かえって南側が微妙な立場に追い込まれる状況だ。 政府が天安艦・延坪島問題に負担を感じ 迂回的に出口を模索する必要性を感じるのもこういう状況変化のためだ。 反面、保守層は相変らず北側から天安艦・延坪島事件に対して謝罪を取り付けるまでは一歩も歩み寄ってはならないと要求している。こういう複雑な事情と保守層の顔色を全て考慮した結果、禅問答のようにはっきりしない発言をすることになったのだろうというわけだ。
イ大統領は任期が1年半程しか残っていない。 新しい対北政策を立てて実行するには時間も足りない。今回のように曖昧な発言で煙幕を張っている段階ではさらさらない。政府が今しなければならないことは、既存の対北政策の限界をはっきり認め、南北関係がこれ以上悪化しないよう状況を安定的に管理することだ。人道的次元での食糧支援を再開し民間次元の交流協力を活性化することが、そのための最小限の措置であろう。
原文: 訳A.K