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[社説] 整理解雇 解決できないまま ストライキ撤回した韓進重労組

登録:2011-06-28 07:39
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/484686.html

原文入力:2011/06/27 18:55(1129字)

韓進重工業労働組合指導部が昨日、190日間にわたり繰り広げられた全面ストライキを撤回し、業務復帰を決めた。労組は整理解雇者170人の内、希望者に限り希望退職処遇を適用し、労使間の刑事告訴・告発を双方が取り消すことにするなど4項目を会社側と合意しストライキ撤回を決めたという。だが、ストライキの核心要求である‘整理解雇の撤回’がなされなかったためにキム・ジンスク民主労組釜山支部指導委員のタワークレーン籠城に組合員数十人が合流するなど葛藤と危機感がむしろ増幅された状況だ。韓進重では解雇労働者が自身の身をクレーンの階段にロープで縛り「助けてくれ」と絶叫するやりきれない光景までが展開された。

韓進重労組指導部がストライキを電撃撤回したのは裁判所の‘退去命令’強制代執行に物理的に抵抗する場合、公権力が投入され労組が壊滅状態に陥る可能性を憂慮したためと見える。また、6ヶ月を越える長期ストライキで籠城組合員が離脱し生活苦が深刻化するなどストライキの疲労感が大きくなったことも影響を与えただろう。

それでも国会が29日に韓進重チョ・ナモ会長聴聞会を開くことにするなど韓進重事態を巡る政治・社会的関心が最高潮に至る状況で労組指導部がストライキ撤回に合意したことには物足りなさが大きい。‘経営上の理由’を口実に労働者たちを無対策で集団解雇する企業の不道徳な力の論理が貫徹される状況が再現されたためだ。政界が与野党の別なく聴聞会に合意したことは、今回の事態の根本責任が会社側にあるという明確な傍証だ。特にチョ会長は国会出席を避けようと逃避性外遊に出て公憤を買いもした。市民社会までが類例のない‘希望バス’で韓進重労働者らを応援していたところだ。こうした中で労組がストライキ撤回を決めたので、国民が感じる当惑感と失望感も少なくないようだ。民主労総と金属労組が組合員の意志を集約しなかったとし遺憾を表明したのもこういう理由からだ。

労組指導部がストライキ撤回に合意はしたが、韓進重事態は終わった訳ではない。労働者の整理解雇は絶対に撤回されなければならない現在進行形の事案だ。国会はチョ会長聴聞会で整理解雇の不当さを問い詰め、もしチョ会長が出席しなければ告発措置をとらなければならない。チョ会長もやはり今回のストライキ撤回で事態が一段落したと誤認してはならず、整理解雇問題解決のために労働者と額を突き合わせなければならない。

原文: 訳J.S