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[社説] 実現可能性ないキム・ジョンイル委員長ソウル招請

登録:2011-05-13 06:57
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/477223.html

原文入力:2011-05-10午後08:00:22(1180字)

イ・ミョンバク大統領が9日ベルリンで「北朝鮮が核放棄を確実にすると国際社会と合意するならば、来年春ソウルで開かれる第2次核安保首脳会議にキム・ジョンイル北朝鮮国防委員長を招請する意思がある」と提案した。 ドイツを訪問中のイ大統領が発表する対北朝鮮提案を巡っては、これまでのどの時点より期待が高かった。 発表場所が分断国家統一の象徴であるベルリンなのに加え、最近南北対話および6者会談再開を巡り国内外の動きも活発な時点であるためだ。 だが、実際に蓋を開けたイ大統領の提案は、一言で言って非常に失望させられるものだった。

まず、実現の可能性があまりにも希薄だ。 イ大統領は昨年4月第1次ワシントン核安保首脳会議の後にも「第2次核安保首脳会議以前に北朝鮮が核に対して明らかな態度を見せればキム委員長をソウルに招く」と話したことがある。 これに対して北は「米国の核政策が変わらない限り第2次核安保首脳会議に参加することはありえない」と言って拒否した。 それ以後状況が全然変わっていないのに同じ提案を二番煎じしたということは、初めから実現の可能性を念頭に置いていない“政治的ショー”だという疑いを買うのに充分だ。

キム・ジョンイル委員長が今まで多者首脳会談に一度も参加したことがないという点からも、彼が50余ヶ国の首脳が参加するソウル会議に出てくるとは期待しにくい。 その上核安保首脳会議は核開発潜在力を持っているか核物質を保有している国々に対する米国の管理を強化し核非拡散体制をより一層強固にしようとする性格を持っており、北朝鮮としてはただでさえ出て行きたくない会議だ。 そのような会議に白旗を揚げて投降しろというわけだから、北朝鮮の拒否は火を見るより明らかだ。 天安(チョナン)号事件と延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件などに対する北朝鮮の謝罪を事実上前提として掲げたのも、今回の提案の実効性をより一層疑わせる部分だ。

もちろん今回の提案は非核化問題に集中するというイ大統領の政治的意志を表明したという意味はあると言えよう。 だが今の南北の状況は、対話をしようという振りなどして名分を積むことだけに留まっていられる時では決してない。 北朝鮮と対話を通じて南北関係の突破口を作るという考えならば、相手を引き込むだけの実質的条件を作って信頼を形成していかなければならない。 イ大統領はもう任期末が近づいている。 真実性を発揮しても時間はもう足りないほどなのに、しきりに他の方ばかり眺めているのはもどかしい限りだ。

原文: 訳A.K