順天(スンチョン)は小説『太白(テベク)山脈』を書いたチョ・ジョンネ作家の故郷であり、また同時にこの小説の主要舞台になったところだ。 解放後の左右の理念対立問題を正面から扱ったこの小説の偉大な価値を改めて論ずる必要はないだろう。 チョ候補は「麗水(ヨス)順天(スンチョン)事件などを経験した順天の老人の方々の間の保守的雰囲気のことを言っただけ」と釈明したというが、弁解にはならない。 民主労働党を従北主義勢力と規定したチョ候補やキム候補は、過去に『太白(テベク)山脈』を“利敵表現物”に仕立てようとした公安当局とどこが違うか。
民主党が順天(スンチョン)補欠選で党の公認候補を立てない方針を確定したのは、来年の総選挙・大統領選挙での野党圏連帯の重要性を考慮した結果であろう。 だが実際に順天で繰り広げられている様相を見るならば、連帯の精神は失踪して久しい。この地域の民主党人士が次々と離党し無所属で出馬したことからしてそうだ。 民主党指導部のうち相当数が親民主党無所属候補の当選を内心願っているということはすでに公然の秘密である。 さらにパク・チウォン院内代表らは、最近チョ・スンヨン候補の選挙事務室訪問ということまでやっている。
連帯の基本は相互信頼だ。 だが民主党はすでに信頼を裏切った。その上、選挙で当選すれば民主党入党の可能性が読まれている無所属候補側が、決して口にすべきでないアカ攻撃まで持ち出した。これでは今後いったい、どんな野党圏の連帯が可能になろう。 民主党と該当政治家たちの深い省察を促す。
原文: 訳A.K