原文入力:2010-12-30午後08:31:09(1695字)
パク・ミンヒ北京特派員
エレベーターで隣人たちは心配そうな表情で韓国はこの頃どうなのと挨拶の言葉をかけてくる。タクシー運転手たちも北韓が貧しく情けない国であることは知っているが、なかなか良い国だと思っていた韓国がなぜ軍事訓練を繰り返して危険な状況を作るのかと声を高めている。韓国国防部が軍事訓練を騒然と公開し、韓国大統領が戦争を恐れてはいけないと演説する姿が一日中 主要ニュースとして登場する。
インターネットで韓国言論を調べてみる。韓国海に入ってきて不法操業し韓国巡視船に衝突して沈没した漁船被害を賠償しろと要求する中国は 居直り強盗として描写されている。北韓の延坪島砲撃を非難せずに庇う中国には良心もないという怒りが沸き立っている。かつての‘貧しく無礼な中国’のイメージは今や‘金があふれ強力になったからと傍若無人の悪党’のイメージに代替された。その背後からは、韓国は中国と距離を置き、韓・米同盟を強化して、自由貿易協定(FTA)でも何でも米国要求はできるだけ聞き入れなければならないという声が聞こえてくるようだ。
2011年にも‘悩み’は尽きそうもない。今年、私たちが目撃したことはアジアで米国と中国の戦略的競争が本格的に始まり、韓半島の平和維持や平和統一のためには対中国外交に力を注がなくてはいけないという現実だった。韓国の輸出の24.9%を中国に依存している状況は氷山の一角に過ぎない。米国の衰退と中国の浮上という歴史的流れははるかに大きな問題だ。韓国政府と保守勢力は韓・米同盟強化、‘韓・米・日’戦略共助強化、反中感情でこれを突破しようとしている。これに固執するならば韓-中関係は継続的に悪化するだろう。15~20年後、中国の力が米国を追い越すことになれば韓国はどんな状況に置かれることになるだろうか?
今年一年‘力の外交’を試みて国際社会の反発を招いただけと判断した中国が外交方向の転換を試みる信号があちこちで感知される。戴秉国外交担当国務委員が今月初め‘平和的発展路線を堅持しよう’という長文を発表し 「覇権を追求しない」と強調したことは信号弾だった。韓国の軍事訓練に北韓が反撃しないよう中国が圧力を加えたという伝言が相次ぐ。1月19日に迫った胡錦濤中国国家主席の米国訪問を控え、中国は米-中関係回復に専念している。有所作為の‘力の外交’を撤回し、時を待ち静かに力を育む‘韜光養晦’と‘臥薪嘗胆’の態度に戻るという姿勢だ。
米-中和解側に局面が変わりながら、米国と密着し中国と距離を置き対北韓強硬策を強化してきた韓国政府の状況が微妙になった。米国言論でも李明博大統領の攻撃的対北韓政策を米国政府が憂慮しているという報道が出てきた。その直後、イ大統領は 「来年一年間で北韓の核廃棄を6者会談を通じて必ず実現しなければなければならないと考える」と話した。一ヶ月前に6者会談を公開的に拒否し、数日前まで戦争を恐れてはいけないと強調した大統領だ。だが、大統領の発言が出てきたその日、統一部は対北韓圧迫政策と‘統一準備’を強調する業務報告をした。
中国官営<環球時報>は28日付社説で「韓国は韓半島の安定を望むとしながらも実弾軍事訓練で北韓を刺激し‘吸収統一’計画で南北韓が お前が死んで自分は生きる式の戦略的対抗に進ませた」として「韓国は陶磁器店で酔拳をする武士のようだ。酔ったフリをしているのか、本当に酔っているのか分からない」と皮肉った。
1月19日、胡錦濤国家主席の米国訪問で米国と中国は韓半島安保状況と北韓核問題に対しビッグディールを試みるだろう。2つの強大国の取り引きで韓半島情勢が変わる状況で、私たちは原則が何なのかも分からない対北韓政策と戦争不辞論の中で一年を送る。
パク・ミンヒ北京特派員 minggu@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/456481.html 訳J.S