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[寄稿] パク・ジェワン雇用労働部長官 貴下/チョ・グク

登録:2010-10-06 10:06

原文入力:2010-10-05午後10:39:50(1848字)

←チョ・グク ソウル大法学専門大学院教授

パク長官は金持ち減税・規制緩和など親富者・親企業‘MBノミクス’を国政運営の原理とし 「4大河川事業が親庶民政策」だと強弁する代表的な‘MBマン’です。その上、大統領府で首席秘書官として仕事をした時‘ワーカホリック’と呼ばれるほど仕事をして大統領の好感と信頼を得たとのことですね。大統領府国政企画首席時期に軽自動車を走らせ、長官就任以後に1600㏄級アバンテ ハイブリッド自動車に乗る姿は美しいです。
パク長官に差し上げる話は多いが、今回の機会には2つだけ尋ねようと思います。

最初に、去る7月22日、2005年以前に現代自動車蔚山工場に入社し、2年以上同じ労働をした社内下請け労働者は正規職とみるべきだという最高裁判決が下されたことは知っていらっしゃいますね。業界に蔓延した偽装請負形式の不法派遣にブレーキをかけた画期的判決です。続いてソウル中央地裁もKTX乗務員の実質的な使用者が韓国鉄道公社だと判決しましたね。同じように出退勤しながら同一労働をしているのに、賃金は正規職の半分だけ受け取り、整理解雇の第1順位となる現実に対し司法府は是正を命じたのです。

ところで、雇用労働部はこういう不法派遣がどうして成り立っているかを確認し不法を是正しようとするなら、不法派遣の疑いのある事業場に対する全国的な全数調査が必要なのに、なぜこれを拒否しているのかを訊ねたいです。ひょっとして派遣期間を2年から3年に延長し、すべての業種に派遣を拡大させるというハンナラ党の立場どおり勤労者派遣法が改定されることを期待しているのではありませんか。雇用労働部長官の任務が労働権の保護、良質な雇用創出・拡大、労使葛藤の公正な調整・仲裁という点を忘れ、全経連の‘労働対策課長’のように思考しているのではありませんか。そうでないならば派遣・請負・下請などの形態で急増している‘間接雇用’労働者の数と劣悪な状態を調査し不法を是正する措置に積極的に出るべきではありませんか。

二番目、今年11月13日がチョン・テイルの40周期であることは知っていらっしゃいますか。清渓川平和市場で後輩労働者たちの劣悪な境遇を改善しようと自身のからだに火をつけた22才の "美しい青年" チョン・テイルの40周期の話です。パク長官は2005年、清渓6街に作られたチョン・テイル青銅半身像(イム・オクサン作)を訪ねて行ってみたことはありますか。最近、ソウル市はこの銅像がある清渓6街‘柳橋(ポドゥルタリ)’を‘チョン・テイル橋’という名前と共に使うことに決めました。数回にわたる市民たちの改名要求リレー1人示威のおかげですね。韓国労働運動の新たな章を開いた歴史的現場のこちらがかつて清渓川周辺に柳が多かったという理由で‘柳橋(ポドゥルタリ)’という名前をつけられたことは没歴史的な決定でしたよ。

一国の労働問題に責任を負う長官ならば "我々は機械ではない!" というチョン・テイルの最後の叫びを常に念頭に置かなければなりません。ひょっとしてパク長官は清渓6街を訪問してチョン・テイル銅像の前に献花するつもりはないですか。忌日の11月13日、牡丹公園で開かれる追悼式に政府を代表して参加するつもりはないですか。雇用労働部長官がこういう姿を見せる時、パサパサしている労働現実で苦痛を受けている労働者たちも若干の慰労を受けるのではないでしょうか。長官がこういう姿を見せる時、はじめて労働運動団体も長官と心を開いて対話しようとするのではないでしょうか。

李明博政権は労働問題を‘公安事件’として扱っています。労働者を‘費用’としてのみ考え、労働運動を統制と弾圧の対象として考える限り、労使和合と労使安定ははるかに遠いです。いくら‘親企業’政権と言っても、他の長官でもない雇用労働部長官ならば政策と歩みで少しは‘労働側’的な姿を見せるべきではありませんか。閣僚会議の席で労働の視角で問題解決方式を提示する人が一人くらいはいなければならないのではないですか。これらすべてのことが考えることさえできないことでしょうか?

チョ・グク ソウル大法学専門大学院教授

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/442379.html 訳J.S