原文入力:2010-08-22午後10:08:58(1317字)
イ・ジョンウの経済の話
数日前に発表された今年1分期の国内総生産(GDP)統計で、ついに中国が日本を抜き世界2位を占めた。日本は1968年に西ドイツを抜き2位に上がった以後、42年ぶりにその座を中国に譲ることになった。現在の国内総生産1位はもちろん米国であり、中国と日本が各々米国の3分の1程度の経済規模を持っている。中国が世界2位とは言え、それは総規模でそうだということであり中国の1人当り国民所得は未だ3600ドルに過ぎないので米国、日本の10分の1にもならない。
歴史学者たちによれば中国の国民所得は紀元後2千年間、常に世界1位を占めていたが、1位の座を逃したのは僅か19~20世紀の2世紀だけだという。経済学者たちは今のように米国の低成長と中国の高成長が続けば、1,2位の逆転が起きるのは時間の問題と見る。そうなると中国は2千年にわたり守ってきた世界1位の伝統を取り戻す計算になる。
1998年シドニーで日本経済に関する学会が開かれた。ここでエール大学の日本経済専門家ヒュー パトリック教授は2050年になっても相変らず日本経済は世界2位の席を守ると予想した。今日の目で見れば彼の予測はどれほど空しいか。それに反して日本の森嶋通夫教授は日本経済没落論を著し注目を集めた。
永く英国 ロンドン経済大学の教授だった森嶋は日本人最初のノーベル経済学賞受賞者になるだろうという評を受けた著名な経済学者だ。1982年に<なぜ日本は成功したか?>という本を書いた彼が、1999年には<なぜ日本は没落するのか?>という本を書き、人々を戸惑わせた。前の本で彼は、日本の成功要因を日本人の独特の精神に求めたが、後の本で彼は精神の荒廃化を嘆いている。教育、金融、産業、労働市場で広がる荒廃化を変えるほどの指導力が日本にないことを容赦なく批判した。かつて日本の高成長を導いたのは政界、官界、財界のいわゆる‘鉄のトライアングル’だが、今はこのトライアングルが腐敗と無能の温床なので日本の将来は絶望的だということだ。
そこで森嶋教授が提示する日本経済の回生策は、韓国、中国、台湾、日本を包括する東北アジア共同体だ。そのためには侵略者日本の心を込めた謝罪が第一歩だ。しかし日本では侵略を美化する極右歴史観が力を増しており、韓国でも植民地と独裁を擁護する極右勢力が歴史をわい曲している。靖国神社参拝に固執する自民党や悪行を美化する韓国の極右派は、東北アジアの発展にとって大きな障害物だ。
最近、日本の菅直人総理が旧植民地の強制性を認める少しは前向きな発表をしたが、過去の社会党村山談話に及ばない不十分な水準だ。東北アジアが真に平和と繁栄の地域になるには、この地域に良心的で進歩的な声が高まらなくてはならない。これが解放65年、国恥100年となる2010年8月の現実だ。
イ・ジョンウ慶北大教授(経済学)
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/436258.html 訳J.S