本文に移動

米専門家「トランプ・金正恩会談は危険…北朝鮮の現実の変化を直視すべき」

登録:2026-06-23 01:32 修正:2026-06-23 07:56
2018年6月12日、シンガポールで行われた第1回朝米首脳会談での、北朝鮮の金正恩国務委員長と米国のトランプ大統領=シンガポール広報部のウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 米国務省で北朝鮮の核をめぐる交渉にかかわった経験を持つ米スティムソン・センターのジョエル・ウィット特別研究員は、かつてとは異なる北朝鮮の現実を見るべきだとして、朝米対話の見通しに懐疑的な見方を示した。

 22日にソウル中区(チュング)の銀行会館で開催された「2026国際朝鮮半島フォーラム」にオンラインで参加したウィット研究員は、「米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長をひとつの場に呼ぶのは非常に危険」だとして、「(朝米会談で)金委員長は私たちの望まない事柄に同意する可能性が非常に高い」と語った。そして「韓国と米国、国際社会を相手にして北朝鮮の新たな議題を押し進める可能性が高い」とも述べた。北朝鮮による核能力の高度化、北朝鮮とロシアの接近などで制裁の有効性が低下している中、朝米の首脳が北朝鮮の非核化を議題に会談する可能性が低くなっている現実を受けての発言だ。

延世大学のムン・ジョンイン名誉教授が22日、ソウル中区の銀行会館で「朝鮮半島の平和共存に向けた市民社会の役割と提言」をテーマに開催された2026国際朝鮮半島フォーラムで、特別座談会の司会を務めている/聯合ニュース

 ウィット研究員は、北朝鮮が「(対話に)直ちに関心を持つかも懐疑的」だとして、「(かつて)北朝鮮は対話と関与に真剣だったが、今はそのような真剣さが見られない」と述べた。同氏は、北朝鮮の核をめぐる交渉などに関与しつつ変化を模索してきた「これまでの30年の時間は終わった」として、「現実的な観点から北朝鮮との関係を発展させていくには、歴史だけでなく今日の北朝鮮がかつてとどれほど異なるかを理解しなければならない」と語った。

 李在明(イ・ジェミョン)政権の段階的非核化案については、「非核化という目標を完全に放棄しようというのでなければ、目新しさはない」と述べた。

 ウィット研究員は2018~2019年の朝米首脳会談を引き出した第1次トランプ政権と現在の第2次政権を比較しつつ、「(第1次時代と)私たちがいま直面している状況は非常に異なる」と述べた。第1次政権時代には、ポンペオ国務長官やスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表(いずれも当時)らがトランプ大統領と対北朝鮮政策を導きつつ、ロードマップを提供していたが、今はそのような資源がないというのだ。ウィット研究員は「トランプ大統領は制御不能に陥っており、彼の外交は様々な面で失敗した」として、米国・イスラエルとイランとの戦争が「最近の失敗の例」だと指摘した。

 このような診断は過度な悲観主義ではないかという指摘に対しても、同氏は「懐疑ではなく現実主義的な視点」だとして、冷静な状況判断を求めた。

 ただしウィット研究員は、1973年に米国とソ連の間で結ばれた核戦争防止協定のような共同宣言文を米国、中国、ロシア、韓国で作成しようと提案した。核戦争を防ぐことが望ましいと宣言しようというもので、そのレベルの内容には北朝鮮も同意する可能性があるとの考えを同氏は示した。

 ウィット研究員は1994年の朝米ジュネーブ合意の際、米国務省の官僚として交渉団に加わり、2002年に政府を離れるまで朝米合意の履行業務を担当していた。その後、戦略国際問題研究所(CSIS)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院(SAIS)、スティムソン・センターなどの外交安保分野のシンクタンクで北朝鮮の核問題について研究を続けてきた。北朝鮮専門の分析メディア「38ノース(38 North)」の共同設立者でもある。

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1264749.html韓国語原文入力:2026-06-22 18:05
訳D.K

関連記事