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AIスーパーサイクルの後に、金融危機が迫っている

登録:2026-06-07 20:24 修正:2026-06-08 09:30
『AIバブルが作る負債の終焉』//ハンギョレ新聞社

 金融危機は常に新しい姿で現れる。だから人々はいつも「今回は違う」と言う。1929年には株式市場が崩壊し、2000年にはテクノロジー株のバブルがはじけ、2008年には金融システムが崩壊した。そして今、私たちは人工知能(AI)という新しい技術環境の中に立っている。表面的には異なるが、その内部構造は驚くほど繰り返される。技術は世界を変えるが、人間の行動や信用の仕組みは変わらない。

■繰り返される金融危機の構造

 1920年代の電気と自動車の普及は、生産性と消費構造を大きく変え、経済成長を牽引した。株式市場はこの変化を反映して上昇したが、すぐに実物の速度を超え、未来への期待を過度に反映した。証拠金取引によるレバレッジ(負債)が拡大するにつれ、上昇は自らを強化する構造となり、投資家は借金をして市場に参加した。しかし、1929年に市場が揺らぐと、マージンコール(ブローカーが投資家に追加の証拠金を要求すること)が発生し、強制売却が続き、株価は急落した。銀行が崩壊し、通貨と信用が同時に縮小した。これは単なる市場調整ではなく、信用基盤自体の崩壊につながった。

 2000年の「ドットコムバブル」は技術が中心だった。インターネットは新しい産業を創出し、生産性を向上させたが、投資家は未来をあまりにも早く現在に引き寄せてしまった。収益が不確実な企業にも巨額の資本が流入した。バリュエーション(企業価値に対する株価水準)は極端に高くなった。金利引き上げとともにバブルは崩壊し、ナスダックは急落した。しかし、インターネットは消えていない。技術は正しかったが、市場がその価値を過度に先取りした結果だった。

 2008年の金融危機は構造が異なっていた。低金利と住宅価格の上昇が重なって、家計負債が急増した。この負債は金融商品として再構成され、システム全体に広がった。リスクは分散されたものではなく、見えないように隠されており、住宅価格が下落するとその構造は一気に崩れた。金融機関間の信頼が崩壊し、資金市場が凍りつき、金融システム全体が機能を停止する危機に至った。

■2026年、技術と信用の結合

 現在の状況は、過去の二つの危機の構造が結合した形に近い。AIは生産性を再定義する技術であるが、同時に巨額の資本を必要とする。データセンター、半導体、電力インフラへの投資が急増しており、これらの投資は現在の利益ではなく将来の期待に基づいている。まだ実現されていない未来がすでに資産価格と投資決定を支配している。この過程で信用は再び拡大しており、特にプライベート信用市場はAI投資と結びつき、新たなレバレッジ構造を形成している。

 すでに亀裂の兆候は表れている。資金が少数のAI企業に集中することで、市場は特定の変数に過度に依存する構造に変わっている。原油価格の上昇と地政学的リスクはインフレを刺激し、金利引き下げを困難にすることで長期投資に負担をかける。また、プライベート信用市場では返済制限と流動性圧迫が顕在化し、見えなかったリスクが表面化している。このような変化は単なる価格調整ではなく、信用構造の亀裂である可能性がある。

■危機の本質と対応戦略

 金融危機の本質は価格ではなく信用だ。価格が崩れると市場は揺れ動くが、信用が崩れるとシステムは止まる。イノベーションは資本を呼び込み、資本は信用を拡大し、信用は価格を押し上げる。そして価格の上昇は確信を生み、その確信はレバレッジを正当化する。結局、過信は崩壊へとつながる。

 このような環境での対応は明確だ。金融会社は利益よりも生存を優先し、流動性を確保しなければならない。企業は成長よりもキャッシュフローを重視し、投資のペースを調整する必要がある。個人は価格ではなく構造を理解し、レバレッジを減らし、分散を強化する必要がある。現金は不確実性の中で機会を選択できる重要な資産だ。

 今回は違うかもしれない。しかし、歴史は繰り返される。技術は進歩しているが、信用は繰り返され、人間は同じ過ちを繰り返す。そして、そのすべての過程を正当化する言葉がある。「今回は違う」。歴史で最も高くつく言葉は、常にこの一文だった。

キム・ヨンイク|漢陽大学未来人材教育院兼任教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1262234.html韓国語原文入力:2026-06-07 10:01
訳J.S

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