韓国の保守与党「国民の力」のチャン・ドンヒョク代表が米国の右派オンラインメディアに送った寄稿文で、李在明(イ・ジェミョン)政権の親中・親北政策や韓米軍事演習の縮小などにより、「対米関係が大きな問題に直面している」と主張した。
チャン代表は9日(現地時間)、米ワシントンD.C.を拠点とするトランプ支持の保守系インターネットメディア「ザ・デイリー・コーラー(The Daily Caller)」への寄稿で、民間団体による北朝鮮向けビラ散布の禁止や韓米合同軍事演習を縮小する意向の表明などを例に挙げ、李在明政権が「韓中関係の完全な復元を宣言し、北朝鮮体制を尊重すると表明するなど、宥和的な対北朝鮮・対中政策を展開している」と主張した。
また「(李在明政権は)何の条件も付けずに明白に自由世界(米国)の側に立つのか、それとも立たないのか、どちらかを選ばなければならない」とし、米国に対する全幅の支持を表明した。チャン代表の寄稿は、6月3日の地方選挙を控え、米国や国内の保守勢力に対し、李在明政権への不信感を煽ることが狙いとみられる。
チャン代表は「大韓民国は包括的な危機に直面している」と主張し、安全保障上の不安を強調した。
「(大韓民国が)中国共産党工作員たちのスパイ行為に効果的に対応できない国になってしまった」とし、「過去5年間、サムスンやSKのような世界的な韓国企業を狙った技術窃取が集中的に発生した」と述べた。同期間、中国国籍者がドローンを利用して釜山(プサン)、済州(チェジュ)、国家情報院付近、烏山(オサン)空軍基地などの主要軍事施設を違法撮影した事例があった点を挙げ、「韓国の経済および安保主権が侵食されている」とも主張した。
チャン代表は寄稿文で、李在明政権の司法改革法案を韓米同盟と結びつけた。「同盟とは単に約束を交わすことではなく、信頼を築くことであり、その信頼は法治と連動した民主的な国政運営を通じて維持される」とし、「ところが韓国の法治は、李在明政権が3月に司法改革法案を可決したことで崩れた」と述べた。
「政治的影響力が及ぶような方法で判事の数を増やし、最高裁判決さえ覆すことのできる4審制を導入した」と主張した。また、与党の「共に民主党」を「政権を握った社会主義系の民主党」と呼び、司法改革法案を通じて「いつでも判事や検事を起訴できるようにした」とも述べた。
寄稿文の中で、国内で物議を醸した自身の米国訪問を正当化する場面もあった。
チャン代表は「歴史上最も長く続いた同盟は、条約だけで築かれたのではなく、信頼と共に構築されてきた。そして信頼は耳を傾けることから始まる」とし、「私は大韓民国の国会議員300人のうちの一人として、米国人が何を見て何を期待し、このパートナーシップがどのような姿であるべきだと考えているのかを聞くためにワシントンを訪れた。これはもっと早く行われるべきだった対話だ」とも主張した。
チャン代表は8日、ソウル外国特派員クラブの招待による外国特派員懇談会でも、「(尹錫悦前大統領の非常)戒厳が国民を傷つけ、どんな混乱をもたらしたのか、(私には)分からない。戒厳令を解決する唯一の方法が弾劾ではない」と主張し、批判を受けた。
これに対し、ある慶尚南道圏の初当選議員は「党内で訪米を巡ってあれほど強く非難されたのに、いまだに『米国発』の保守結集にのみ執着する姿は、もはや痛ましいほどだ」と語った。