米国のドナルド・トランプ大統領が、イランと米国による2回目の終戦交渉が開催されなかった原因として挙げた「イランの内部分裂」について、専門家らは合意に至れないほどのイランの内部対立はないと反論した。むしろ、トランプ大統領が交渉を妨害しているという批判が米国政府内部から出ている。
22日(現地時間)のCNNの報道によると、ジョージタウン大学カタール校のメーラン・カムラバ政治学教授は、イランの内部分裂論について「イラン指導部に対する深刻な誤解」だとしたうえで、「戦争の遂行や交渉の姿勢からも見て取れるように、指導部はかなり結束している」と述べた。米国クインシー研究所のトリタ・パルシ副代表は「イラン指導部の各派閥は、戦争前よりも足並みを揃えている」とし、「意見の相違は当然あるが、米国とイランの双方が合意に至れない理由を、トランプ氏の矛盾したメッセージのためではなく、イランの指導部の分裂にあると評価するのは現実離れしている」とCNNに述べた。11~12日、パキスタンのイスラマバードでの1回目の終戦交渉のテーブルに、イランの交渉代表団が強硬派から穏健改革派までを含む80人規模で現れたことは、イラン指導部の結束力を示すものだとみる分析もある。
イラン大統領府のメフディ・タバタバイ副報道官はこの日、ソーシャルメディアのXに「指導部が分裂しているという話は、イランの敵が主張する古くて陳腐な政治的宣伝にすぎない」とし、「戦場や大衆、外交官の間での団結と合意はきわめて注目すべきものだ」と投稿した。前日にトランプ大統領は、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「イラン政府は予想どおり、深刻な分裂状態にある」とし、「イランが一本化した協議案を提出し、交渉が何らかのかたちで結論にいたるまで、停戦を延長する」と宣言した。交渉決裂の責任をイラン側に転嫁したのだ。一部の米国の保守系シンクタンクやイスラエルの保守メディアも「イラン内部分裂論」を提起していた。
むしろ米国政府内では、トランプ大統領がイランとの交渉を妨害しているという不満が出ていると、CNNは報じた。交渉状況に詳しいある関係者は、「トランプ大統領がソーシャルメディアを通じて交渉を行い、自分たちが合意していない内容に同意したかのようにみせていることを、イラン側は快く思っていない」と述べた。実際にトランプ大統領はメディアのインタビューで、「イランが無期限の核プログラム制限に同意した」(18日ブルームバーグ)、「(イランが高濃縮ウランの搬出を含む)すべてに同意した」(17日CBS)と述べるなど、その後事実ではないことが判明した発言を繰り返している。