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手の施しようがない韓国保守野党【コラム】

登録:2026-04-14 00:53 修正:2026-04-14 08:57
国民の力のチャン・ドンヒョク代表が訪米日程を3日早め、11日にワシントンD.C.へ向けて出国した。チャン・ドンヒョク代表のフェイスブックより//ハンギョレ新聞社

 「何とかできそうな党ではないと思う。再び政権を取るのは無理だろう」

 先日会った、かつてハンナラ党(国民の力の前身)に所属していた人物はそう語った。この人物は、桜が舞う街頭に掲げられた国民の力の候補たちの6・3地方選挙の赤い横断幕を見ながら言った。「全員落ちるよ…」

 107議席を有する野党第1党「国民の力」は支離滅裂だ。指導部が存在しない状態だ。弾劾から1年がたっても、党は同じ位置でもたもたしている。チャン・ドンヒョク代表は今月4日の弾劾1周年に際し、何らメッセージを発しなかった。「絶尹」(尹錫悦前大統領との絶縁)決議文に名を連ねてはいるが、彼の絶尹を信じる者はいない。

 この党の風景は、地方選挙まであと50日だということを忘れさせる。

 公認管理委員長は公認の最中に突如辞任し、自身の選挙に集中しに行った。全斗煥(チョン・ドゥファン)を連想させる国防色のジャンパーを着て「革新」「世代交代」を叫んだり、尹錫悦前大統領の机の上に置かれていた標語「The buck stops here(ザ・バック・ストップス・ヒア)」を真似たかのように「すべての責任は私が取る」と語ったりしていたくせに。ある最高委員は、予備選のライバルの健康問題を検証すべきだと最高委員会で述べた。誰も彼の最高委員「チャンス」を阻めず、会議の会場はこの最高委員個人の演説の場となった。

 党代表は「党のお荷物」となって久しい。「背負うのはすなわち国家」ではなく「お荷物代表」になってしまった。彼がいようがいまいが、あるいは彼がいるからこそ、議員たちは公然と、あるいは聞けとばかりに言う。「民意は氷河期だ」、「代表は保守再建の足かせだ」、「ヤバくて異常だ」

 党代表は黙っている。行動もない。やるといっていた革新選挙対策委員会の設置は、さっぱり音沙汰がない。競争相手である与党代表が3月から20回近くも地方選挙のための現場訪問をおこなっている間、彼はたったいちど仁川(インチョン)に行っただけだ。そこで辞めろという「厳しい言葉」を浴びせられた。よりによって、その後の2回の現地訪問は取り消された。彼は今、米国にいる。選挙を目前にして、党の代表が1週間も海外に行くというのは前例がほとんどない。地方選挙人材招へい委員長も同行した。共和党系の非営利団体から招かれたという。「民生を守る外交と地方選挙の勝利はつながっている」、「トランプ政権の一部が提起する問題点を議論する機会」だというのだ。嫌中、反北朝鮮、不正選挙論に心酔するモース・タン氏の類や保守キリスト教の牧師と会うとみられる。「米国もこんなに懸念している」という風に、地方選挙で空中戦を展開するという意図がみて取れる。そうでないことを願うが、そうであっても通用するはずがない。

 こんな党の支持率が高いはずがない。毎週のように最低を更新している。20%も厳しい。このままでは選挙保全金すら受け取れないのではないかと言われている。選挙費用の全額支給を受けるには、得票率が15%を超えなければならない。

 ここで思い出されるのは「正しい政党」だ。9年前、「正しい政党」は朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾後に結成された。改革保守を標ぼうし、保守を再建すると宣言した。ユ・スンミン議員、ナム・ギョンピル京畿道知事らがセヌリ党を離党した。寿命は2017年1月から2018年2月までと短かった。第三党という曖昧な立場、内部での強硬派と穏健派の論争が足を引っ張った。しかし、尻すぼみに終わったからといって、彼らの保守改革の実験が無意味だったとは言えない。保守の自浄という足跡を残したのだから。

 国民の力にはもはや失うものは何もない。より正確に言えば、保守はこのままでは立ち行かなくなるという不安を抱える議員、党員協議会の委員長、役職者、支持者たちには、だ。自党出身の大統領の2度の弾劾、極右に依存した党指導部、地域に安住して変化に消極的な議員たちでは、2028年の総選挙の雰囲気も現在の地方選挙とかわりばえしないだろう。地方選挙の出馬者が抱く不安や無力感は、2年後には他人事ではなく自分のことになりうる。ある人は「私たちの良心を奪っていくのはまさに恐怖だ。私たちをひきょう者にするのも恐怖だ」と言う。9年前、ユ・スンミンもナム・ギョンピルも、成功を見て実験したのか。

 「政府には誠実な反対が必要だ」「野望は野望としてけん制すべきだ」「批判は民主主義の命だ」

 まともな野党の重要性を訴える言葉は、もはや翻訳の必要もないほどに古今東西にあふれている。結局のところ、野党の水準は政治の水準だ。

 いつまで国民に「情けない野党」という重荷を背負わせ続けるつもりなのか。

//ハンギョレ新聞社

ソン・ヨンチョル|政治部長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1254020.html韓国語原文入力:2026-04-13 18:29
訳D.K

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