イラン戦争で受けた被害により、バーレーンの米海軍第5艦隊本部からかなりの人数が撤退していた。駐サウジアラビア米国大使館も機能を失うなど、中東全域の米軍基地や米国の施設が予想以上の被害を受けていることが明らかになりつつある。
米海軍のある報道官は、バーレーンの第5艦隊本部基地から1500人の将兵とその家族が撤退し、米国へ再配置されたことを認めた。米国の公共放送NPRが3日に報じた。
NPRは、撤退した将兵が米国バージニア州のノーフォーク基地に帰還したことを報じた。NPRは、急きょ撤退した将兵とその家族のために軍当局が生活必需品の支援を地域コミュニティーに要請しているとも伝えた。ノーフォーク基地に帰還した将兵を支援している米軍在郷軍人会327支部のキース・シェイネ支部長は、「彼らは文字通り『リュックに入る物だけを持っていけ』と言われた」、「彼らは軍服もなしに、何も持たずに帰ってきたため、私たちが最初に会った3人の持ち物は背負ったリュックに入るものと着ている服だけだった」と語った。
彼らが撤退した海軍支援活動(NSA)バーレーン基地は米海軍第5艦隊の本部で、普段は約8千名の兵力が駐留し、中東海域を管轄していた。イラン戦争が始まった2月28日より前に同基地に停泊していた第5艦隊所属の主な戦闘艦はすでにすべて基地を離れ、公海などへ移動している。バーレーン基地はイラン戦争の初日から3月6日にかけてイランからミサイルとドローンで攻撃され、最低でも7棟の建物が破壊されたことが衛星写真で明らかになっている。
同基地はすべての艦艇が離れているため、「戦力展開拠点」としての機能が大幅に弱まっているうえ、運用に必要な人員のかなりの数が撤退したと判断される。
ニューヨーク・タイムズは1日、イランに弾道ミサイルで攻撃される恐れがあるため、中東地域の米軍の将兵は基地を避け、都心のホテルやオフィスビルへ移って勤務していると報じた。今回のイラン戦争では、中東一帯で少なくとも17カ所の米軍基地などの施設が攻撃を受けたため、早期警戒レーダーが破壊されるなどの深刻な被害が出ている。
中東における米国の最大の外交拠点であるサウジアラビアの駐リヤド米国大使館も、被害は軽微だと当初は発表されていたものの、損傷ははるかに深刻だ。ウォール・ストリート・ジャーナルが4日に報じた。同紙は、リヤドの米大使館は4日のイランのドローン攻撃により、中央情報局(CIA)の支部を含む最重要エリアが破壊されるという大きな被害を受けたと伝えた。
4日の早朝、2機のドローンが相次いでリヤドの外交地区の米大使館エリアを攻撃し、建物の3つの階が復旧不能と判定されたうえ、12時間にわたり火災に見舞われた。この攻撃が勤務時間中に行われたとすると、犠牲者は数百人にのぼる可能性があると分析されている。最初のドローンは建物の外壁に当たって穴を開け、2番目のドローンはその穴に突っ込んで爆発した。
この攻撃は、パトリオットなどからなるリヤドの防空網を迂回(うかい)・突破し、米大使館の高価値情報・指揮エリアを狙って打撃を与えていることがら、イランの精密攻撃と電子戦の能力を示したと評されている。