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「米軍、地上部隊投入で『補給の泥沼』に…ベトナム戦争で経験」

登録:2026-03-31 00:13 修正:2026-03-31 07:32
27日(現地時間)、米軍の強襲揚陸艦トリポリに乗った米海軍の兵士と海兵隊員が、ライフルと装備を背負って待機している。米中央軍はこの日、トリポリを中心とする上陸準備団と第31海兵遠征部隊がイラン一帯の作戦区域に到着したと発表した=米中央軍のXより//ハンギョレ新聞社

 米軍がイランに地上部隊を投入すると、必要となる兵力や装備がますます増える「戦争拡大の沼」にはまるだろうとの警告が発せられた。既存の拠点と補給ルートを守るためにさらなる派兵が不可避となるベトナム戦争のような消耗戦が再現されるということだ。

 シカゴ大学政治学科のロバート・ペイプ教授は29日(現地時間)、ニュースレター配信プラットフォーム「サブスタック」への寄稿で、こののように分析した。ペイプ教授は戦争空爆史分野の世界的権威で、米政府にも多くの助言をおこなってきた。

 同氏は、米国・イスラエルとイランとの戦争は今、空中戦から地上戦への移行の岐路にあるとみている。米国は当初、圧倒的な空軍力とミサイル戦力でイラン政権を転覆させようとしたが、同時に中東に駐留する米軍基地へのイランの報復攻撃に直面。米国は、同地域に展開している兵力、戦闘機、艦隊などの軍事資産の保護という課題を抱え込んでしまった。ペイプ教授は「(米軍の)前方の拠点が脅かされている」とし、「空爆は(イランに)被害を与えるが、報復は防げない」と指摘した。

 この状況にあって米軍は、約5千人の海兵隊をイラン周辺に展開するなど、地上部隊投入カードをちらつかせている。米国の示す停戦条件を受け入れるようイランに圧力をかけたり、戦況によってはペルシャ湾のイラン領の島やエネルギー施設などを占領したりするための布石だ。

 しかしペイプ教授は、地上部隊による戦略拠点の占領は「初期に成功させることは可能だが、維持が問題」だと語る。敵の領土深くに侵入した味方に対して「燃料、弾薬、防空、医療、工兵支援など、継続的な補給が必要」になるからだ。同氏は「イランはあらゆる補給ルートを攻撃するだろう」とし、「補給が脅かされた瞬間、(戦争の)論理は即座に変わる。補給を維持するためにより多くの防衛、護衛、基地が必要になる」との見通しを示した。

 米軍は、ベトナム戦争ですでにこのような戦争の拡大過程を経験している。米国は1964年8月、米軍の艦艇が北ベトナム軍に魚雷攻撃(トンキン湾事件)を受けたことに対する報復空爆で戦争に踏み込んだ。しかし翌年2月にプレイク米軍基地が奇襲されて戦死者が出たことを受け、「基地防衛」を目的に3500人の海兵隊員をダナンに上陸させた。その後、軍需拠点の確保などのために兵力の必要性は高まり続け、ホワイトハウスは同年7月に派兵規模を12万5千人にまで拡大すると発表した。

 ペイプ教授は「当時の米軍は単に兵力を配置したのではなく、兵力を維持する『システム』を構築していた。このシステムは一度形成されると、元に戻すのは難しい。『防衛』任務は『攻撃』に変質する」と述べた。同氏は、米軍が中東戦争でこのような兵站システムを構築したら、それが戦争拡大のシグナルになると語った。ペイプ教授は「今後の10日間で(兵站)システムが構築されるか否かが示されるだろう」とし、「米国はまだ地上戦に突入していないが、その可能性が現実のものとなる時が迫っている」と分析した。

チョン・ホソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1251774.html韓国語原文入力:2026-03-30 17:41
訳D.K

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