ドナルド・トランプ米大統領が5日間延長した対イラン「最終通告」の期限が今週末に迫る中、米国とイランは仲介国を通じて停戦条件を示し合いつつも、攻撃態勢を強化するなど、両面戦術を続けた。米中首脳会談の日程が発表されるなど、トランプ大統領がまもなく停戦を宣言する可能性が指摘された25日(現地時間)、ホワイトハウスはイランが軍事的敗北を認めない場合、「地獄をもたらす準備ができている」と警告した。イランは「交渉するつもりはない」としつつも、独自の要求案を提示するなど、交渉を完全に拒否している様子はない。両国の激しい力比べが続く中、今週末が米国・イスラエルとイランの戦争の停戦と拡大を分ける分水嶺になるとみられている。
ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官はこの日の会見で、戦争は「当初予想されていた4~6週間の作戦スケジュールよりも早く進んでいる」とし、「イランの既存の指導部が排除されたことで、政権指導部に変化が生じた」と主張した。予想していたスケジュールよりも早く目標達成に近づいており、イランの政権交代も事実上実現したという意味だ。レビット報道官は、この日新たに発表された米中首脳会談の日程(5月14日~15日)が戦争終結の時点を念頭に置いたものかという質問に対し、「我々は常に戦争期間を約4~6週間と見積もってきた」とし、「その点を考えると計算ができるだろう」と答えた。前月28日の開戦を基準にすると、4〜6週間は3月28日から4月11日に当たる。
トランプ大統領は、周囲に対して早期停戦の意思を何度も示したという。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、トランプ大統領が側近に対し、長期戦を避け今後数週間以内に戦争を終わらせたいという意向を示したと報じた。今回の戦争が政策上の優先課題の「妨げになっている」と嘆いたという。米軍の死者増加と中間選挙を前にした政治的負担が停戦を圧迫する要因として働いていると、同紙は報道した。
早期停戦の可能性は主にイスラエル側から提起されている。イスラエルの「チャンネル12」はこの日、高官らの話として、米国とイランが「15項目の停戦案」について完全に合意に至らなくても、トランプ大統領が「原則的合意」レベルで戦闘停止を宣言しうると報じた。ニューヨーク・タイムズ紙は、早期停戦を懸念したベンヤミン・ネタニヤフ首相が同日テルアビブ軍指揮部の地下バンカーで会議を開き、「今後48時間以内にイランの防衛施設をできるだけ破壊するよう」指示したと報じた。
イランは依然として公式交渉を否定している。アッバス・アラグチ外相は国営テレビとの会見で「米国が提示した和平案を検討中だが、現時点で交渉するつもりはない」と述べた。だが、イランが仲介国に対し、イスラエルがレバノンの親イラン武装組織ヒズボラへの攻撃を停止することを停戦条件の一つとして提示したとロイター通信が報道するなど、イラン側の要求が伝えられている。
しかし、米国が戦争を拡大させ、引き続き推し進める兆候は依然として残っている。ホワイトハウスは、イランが軍事的敗北を認めない場合、「これまでよりはるかに強力な打撃を加える」と警告した。レビット報道官は「イランが軍事的に敗北し、今後も同様の状況が続くことを理解できないのであれば、トランプ大統領はこれまでに経験した以上に強力な打撃を与える」と述べた。
米国防省は数千人規模の部隊と海兵隊を中東に追加配備し、イラン本土や南部カーグ島を標的とした精密攻撃オプションを準備している。米軍がイランの原油輸出の中心であるカーグ島を占拠するとの予測もある中、イランは対人地雷などを島の周辺に大量に設置している。米軍の上陸が予想される海岸線に、携帯型地対空誘導ミサイルシステム(MANPADS)も追加配備した。