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「メス1匹に対し19匹」オスのしつこい交尾要求で墜落死…メスガメの悲劇

登録:2026-02-19 08:07 修正:2026-02-19 10:22
崖から落ちて傷を負い死んだヘルマンリクガメ=ドラガン・アルソフスキ/マケドニア生態学会提供//ハンギョレ新聞社

 無人島に生息するヘルマンリクガメが、オスによる執拗な交尾の試みによって絶滅に追い込まれているという研究結果が発表された。この島には1000匹ほどのヘルマンリクガメが生息しているが、オスとメスの比率が1対19でオスが圧倒的に多いため、このような現象が発生していることが判明した。

 米ニューヨーク・タイムズは14日(現地時間)、「マケドニア生態学会」のドラガン・アルソフスキ博士らによる研究チームが、北マケドニアのゴーレム・グラード島のプレスパ湖に生息するヘルマンリクガメの個体群を調査したところ、性的に攻撃的なオスがメスに比べてはるかに多く、交尾の過程でメスに深刻な傷を負わせていたと報じた。研究結果は科学誌「エコロジー・レターズ」に掲載された。

 この島は森で覆われた高原地帯で、切り立った絶壁に囲まれている。2008年からこの地でヘルマンリクガメを研究したアルソフスキ博士は、「当時はかなり密集しており、一見すると繁栄している個体群のようだった」とニューヨーク・タイムズに述べた。しかし、詳しく観察してみると、成体のオスがメスよりはるかに多いことがわかった。今回の論文では、その比率がメス1匹あたりオス19匹にもなることが調査で確認された。

 研究チームは、16年間にわたる観察の結果、この島のメスは体格が小さくて早く死ぬことを発見したが、これは、交尾競争が激化し、オスがメスをいじめるためであることがわかった。アルソフスキ博士が参加した2016年の研究でも、オスは性的衝動を解消するために、他のオスにまたがったり、空の甲羅や石などに対しても交尾の行動を示したりすることが確認されたことがある。

オスによる執拗な交尾の試みが、無人島に生息するヘルマンリクガメを絶滅に追い込んでいるとする研究結果が発表された=ウィキメディア・コモンズ//ハンギョレ新聞社

 この島では日常的に、複数のカメが列をなして移動する姿を見ることができるが、これも、実はメスの後を追いかけるオスの行列だと研究チームは説明した。メスの後を追うオスは、メスが逃げるのに疲れると一斉に群がり、「文字通り埋めつくしてしまう」という。この過程でオスはメスにぶつかり、上に乗り、時には出血するほど強くかむことが明らかになった。鋭い尻尾の先で逃げるメスを刺すため、島に生息するメスのうち4分の3が生殖器に傷を負っていた。

 研究チームは、このような深刻なストレスと傷がメスを早期の死に追い込んでいると指摘した。栄養状態が劣悪なだけでなく、いじめから逃げようとして急な絶壁から落ちて死ぬ様子が何度も観察されたという。絶壁の端まで追い込まれたメスが、オスの物理的圧力に対抗できず落ちてしまったり、オスから逃げようとして急傾斜で滑って死んだりする。オスの攻撃的な交尾の試みは、産卵率にも影響を及ぼしていた。島に生息するメスは15%しか体内に卵がなかったのに対し、近隣の陸地の別の個体群は、すべてのメスが妊娠状態にあり、最大で卵を11個持っていた。

 研究チームは、このような現象が「絶滅の渦」を引き起こす恐れがあると警告した。絶滅の渦とは、少数の個体群が、遺伝的多様性の減少、近親交配、環境適応力の低下などの悪循環によって、回復不可能な絶滅へと突き進む現象を指す。今回の研究では、ゴーレム・グラード島のヘルマンリクガメは2083年に絶滅する可能性があると分析された。

オスによる執拗な交尾の試みが、無人島に生息するヘルマンリクガメを絶滅に追い込んでいるとする研究結果が発表された=ウィキメディア・コモンズ//ハンギョレ新聞社

 この地域のカメの性比がなぜ極端に偏っているのか、現時点では明確には解明されていない。科学者らは、捕食者がいない島の環境によって子ガメの生存率が上昇したうえ、餌が不足する高密度の環境では、性的に成熟するにはより長い時間を要するため、メスに不利だった可能性があるとみている。この他にも別の可能性として、人間が島にカメを持ち込んだ時点で、初めから性比が違っていた可能性もあることが挙げられている。

キム・ジスク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/wild_animal/1245376.html韓国語原文入力:2026-02-18 19:10
訳M.S

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