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ポンペオ元米国務長官「北朝鮮の核の除去、中国が許可し主導してこそ可能」

登録:2025-11-20 06:39 修正:2025-11-20 08:25
マイク・ポンペオ元国務長官が17日(現地時間)、ワシントンで開かれた韓国の法務法人「大陸亜州」主催の懇談会で発言している=キム・ウォンチョル特派員//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が核兵器を放棄するよう説得する現実的手段は事実上ないと、米国のマイク・ポンペオ元国務長官は分析した。第1次トランプ政権で国務長官と中央情報局(CIA)長官を歴任し、朝米交渉を総括したポンペオ氏は「金正恩委員長に与えられるアメがなく、使えるムチもすでにほとんど使い果たした」とし、「北朝鮮内部で予期せぬ変化が発生すること以外は、(米国に)できることは限られている」と述べた。韓国の原子力潜水艦の推進については「韓国にとって必要だ」とし、「議会の同意を得られるだろう」と楽観的な見通しを示した。

 ポンペオ元長官は17日(現地時間)、ワシントンで開かれた韓国の法務法人「大陸亜州」主催の懇談会で、「私たちが実際に交渉した相手は金正恩委員長ではなく、習近平中国国家主席だった」とし、北朝鮮核問題の本質は「平壌(ピョンヤン)ではなく、北京にある」と主張した。元長官は「金正恩はトランプ大統領に会う度に前後に常に北京に報告した」とし、「金正恩は意思決定の自由はほとんどなく、習近平に依存している」と語った。さらに「北朝鮮の核兵器を一つの独立した体系と見なすのではなく、ほぼ中国と統合された体系と捉えている」とし、「この問題を単に金正恩個人の問題としてみてはならず、中国問題として認識しなければならない。両体制は深く絡み合っている」と述べた。 さらに、「もし金正恩に直接会う機会があったとしても、わざわざ会わなくてもいいし、その必要もない」とし、「(トランプ政権も)これ以上北朝鮮との交渉で実現可能な余地が多くないという判断を下したと思う」と述べた。

 ポンペオ元長官は「どうやって違う方向にアプローチするのか」と尋ねられたら、「北京と交渉を試みるべきだ。北朝鮮の核兵器を除去するという構想は、中国が許可して主導してこそ実現できる(と答えるだろう)」とし、「(ウクライナ戦争への北朝鮮軍の投入も)習近平が承認しなければ、絶対にあり得なかったこと」だと強調した。

 また、トランプ政権が北朝鮮を核保有国として公に認めることはないだろうと見通した。「(非核化の代わりに)『脅威の減少』を(北朝鮮との交渉で目標に)選ぶのは、事実上北朝鮮を核保有国と認めるシナリオだ」とし、「そのような立場を表明する可能性は非常に低い」と述べた。

 金正恩委員長個人に対しては厳しい評価も続いた。ポンペオ元長官は「彼は邪悪な人物」だとし、「朝鮮半島全体が自身に属すると信じており、これを取り戻す方法を模索している。中国もこれを望んでいる」と述べた。

 最近韓米が共同発表した「原子力潜水艦(SSN)協力」枠組みについては、「その内容が入ったことを見て驚いた。非常に歓迎すべきこと」だとし、「もちろん非常に複雑な議論が続くだろうし、まだ解決された事案ではない。細部事項はほとんどない。ただし、『サプライチェーン』と呼べる主な要素の中で多くにおいて、韓国が非常に有利な位置にいる」と評価した。

 韓国の原潜の必要性については認める一方、「非常に複雑な問題なので、判断は韓国の指導者たちに任せる」と述べた。さらに「敵の攻撃を抑止するために自国の中にどんな『ハードパワー』を備えるかは、私のような人があれこれ言える問題ではなく、各国が自ら決めるべき主権的選択」だと強調した。

 そして、韓国の原潜確保が、韓国だけでなく米国の安全保障のためにも良い選択になるという認識を示した。ポンペオ元長官は「軍事的核兵器であれ、原子力システムであれ、新たな核能力を保有した国が登場する度に抑止力ははるかに複雑になる。不確実性が増す」としたうえで、「だが、適切な安保アーキテクチャが構築されれば、この問題を共同統制体系を通じて管理することができる。このような方式こそが、米国の安全保障を脅かす要因を減らしながら、同時に韓国の安全保障も強化できる道だ」と述べた。さらに「金正恩委員長は核兵器を保有している」とし、「それに対応するには、韓国国民に十分な保護を受けているという確信が必要だ」と語った。

 原潜と原子力協定の改正と関連し、米議会が承認する可能性については「議会の承認を受けるのは確実に可能だ」とし、「この問題は党派的なものではない。韓国は成し遂げられるだろう。ただ、はるかに多くの作業とより多くの細部事項が必要だろう」と述べた。

 米国の関税については、「ジョー・バイデン政権も第1次トランプ政権時代に課されたほとんどの関税をそのまま維持した」とし、「関税はますます累積し消えない傾向がある。これらの関税は事実上永久的なものとみなし、事業戦略を立てなければならない」と助言した。ポンペオ元長官は現在、戦略諮問会社の「CNQグループ」を設立して率いており、大陸亜州は同日、CNQグループとパートナーシップ契約を締結した。

ワシントン/キム・ウォンチョル特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1229781.html韓国語原文入力:2025-11-18 09:33
訳H.J

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