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[チョン・ヨンジュ コラム] 時限爆弾

登録:2010-07-12 08:35

原文入力:2010-07-11午後07:03:37(1876字)

←チョン・ヨンジュ言論人

2003年4月末、韓国放送公社社長就任初日の午後、人事実務を総括する人材管理室長が報告することがあると言った。社長就任初日に報告することがあるならば、差し迫った人事懸案があるように感じた。社長室に入ってきた彼は内机の上に紙一枚を置いた。 「韓国放送公社に在職中の○○高出身名簿です」 といった。○○とは私の母校だった。

職員5000人余りの韓国放送公社で学縁・地縁を問い詰めることの一断面がこの程度であるならば、国の権力を全て握りしめた場合はどのようだろうか。李明博政権スタート以後、TK(大邱・慶北)という地縁と高麗大という学縁が4大権力機関などで‘聖骨’ ‘真骨’ 要因として作動しながら人事偏重と特典是非が絶えなかった。盧武鉉、ハン・ミョンスク、ロウソクのあかり、YTN、PD手帳、ミネルバ、私の背任事件など、イ政権の政治的迫害に関する特別功臣である検察の場合、先週末の人事前まで全国5ケの高等検察庁長、18ケ地検長の内、湖南出身は議政府地検長ただ一人だけだった。

このように人事偏重と特典が常識の限度を越し夢幻的水準にまでなった中で ‘ヨンポ ライン’ 等、私的権力の人事専横問題が連日出ている。政府人事ばかりでなく、金融圏・公企業など人事専横の範囲も十分に全方向的で、政府の公組織や直属上級者も手を出すことができないほど、これら私的権力の威勢と狐假虎威(虎の威を借る狐)は猛烈だった。 その上に権力中枢人物たちの ‘宮中史劇’ のような権力争闘の活劇まで加わり猟奇的であるほどだ。

こういう形態を見れば、40年近く権力を享受した後 ‘国民の政府’ ‘参与政府’ 10年の間、権力を失うことになった守旧勢力、特に嶺南覇権主義に寄り添ってきた勢力が権力を取り戻し ‘失われた10年の権力飢餓’ を満たしでもするように、恥も、節制もなく権力むさぼりにまともな精神状態ではないようだ。

その責任はそっくり李明博大統領にある。政権の序盤期から ‘コ・ソヨン’ (高麗大・所望教会・嶺南)問題が浮上しても、彼は関わらなかった。ここにMB政権で万事可能に近い権力を行使してきたと批判を受けてきたMBの"お兄さん"である ‘迎日大軍’ イ・サンドク議員、国務委員ではないながらも政権の序盤期から閣僚会議に参加してきたMBのメントである ‘ヨンポ’ 出身チェ・シジュン ‘放送通信大軍’、そして何より ‘ヨンポ ビルディング’ の所有主であったMB自身がいるので、‘ヨンポ’ という私的権力に絶対的な力が付けられたのではなかったか。

ところで李明博大統領を取り巻いている虎の威を借る狐の ‘権力実力者’ たちは、金大中・盧武鉉大統領の周辺人物たちとは大きく異なる。金大中大統領には長い間、軍部独裁に対抗し共に戦った ‘一生同志たち’ がいたし、盧武鉉大統領には彼と価値を共に分けながら志を立てた ‘若い同志たち’ がいた。しかし、イ大統領の周辺にはそのような人物らが殆どいない。大部分が権力というあかりを見て駆せ参じた日和見主義的な人々だ。大統領当選可能性があるからと駆せ参じただけで、当選の可能性がなかったとすれば会うこともないそのような人物たちだ。

こういう人物の特徴は機会がある時に権力を思う存分にむさぼり、そのために統制されない私的権力をむやみに振り回し、必要ならば ‘宮中史劇’ 活劇もはばからない。そうするうちに船が傾く兆しでも見せれば、ネズミの群れのように生きのびようと道を探して逃げる。

MB政権が折返し点をまだ回る前に、私的権力の人事専横爆弾がさく烈した。ところで、すでにいくつかの大型時限爆弾がしきりにカチカチ言っていて、これからどうなるのか、特に政権が変わった後にはどうなるのか…. 最も大きな時限爆弾は22兆ウォンを越える土木工事‘4大河川爆弾’ だ。生命と自然の破壊、速度戦の必然的結果である手続き問題と大洪水の可能性、土木工事が持つ腐敗の可能性のためだ。それのみではない。天安艦の真実、検察など権力機関の包括的権力乱用、放送掌握、(施行される場合) 朝中東総合編成チャンネル特典…独善と傲慢、権力むさぼり、工作政治が内包した時限爆弾たちだ。

チョン・ヨンジュ言論人

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/429813.html 訳J.S