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現代建設、大統領官邸工事の見返りに「85億円規模の迎賓館新築を受注」か

登録:2025-08-19 09:08 修正:2025-08-19 10:03
ソウル漢南洞の大統領官邸=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 現代建設が尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権時代にソウル漢南洞(ハンナムドン)の大統領官邸の工事などを請け負う見返りとして、800億ウォン(約85億円)規模の新たな迎賓館の工事の受注を約束されていた可能性があることが明らかになった。現代建設から下請けした業者が大統領官邸のスクリーンゴルフ場の工事を請け負っており、2億ウォン近いその工事費の出所が明らかになっていないが、現代建設が迎賓館の新築工事契約を対価としてその工事費用を肩代わりしていたとすれば、贈賄の可能性が高まる。大統領執務室と官邸の移転疑惑を捜査するミン・ジュンギ特別検察官チームも最近このことをつかみ、尹錫悦政権の初期に官邸の工事などを管掌していたキム・ジョンチョル元大統領警護処次長の出国を禁止した。

 ハンギョレが複数の官邸工事の関係者への取材内容を18日に総合したところ、現代建設は尹錫悦政権発足後、大統領警護処から、米軍から返還される龍山(ヨンサン)の大統領室前の土地に地上3~4階、地下3~4階規模の迎賓館の工事の受注を約束されていたことが分かった。旧大統領府で貴賓を迎えていた迎賓館を龍山の大統領室のそばに新たに建てることとし、それを現代建設に任せることにしたのだ。実際に、現代建設は2022年7月ごろに建物の鳥かん図を作成して警護処に渡していたうえ、基礎設計作業も終えていたことが把握された。警護処は昨年初めまで迎賓館の新築を目標に手続きを進めていたが、2024年4月の総選挙で少数与党政局が再現されたことで、迎賓館の工事にかかる巨額の予備費使用の承認を国会から受けるのは困難と判断し、工事を中止したという。

 特検チームの捜査は、当時の官邸の工事と迎賓館の新築計画が尹前大統領の最側近だったキム・ヨンヒョン前国防部長官(当時警護処長)とキム・ジョンチョル警護次長(当時)が中心となって進められていたことに焦点が当てられるとみられる。とりわけキム元次長は、陸軍士官学校の同期で現代建設の顧問役であるL氏と具体的な計画について話し合い、それを実行したという。現代建設は、官邸のスクリーンゴルフ場や警護哨所などを別の業者に委託した際に「現代建設の他の建設現場の仕事を与えるという方式で工事費用を支給する」と提案していたことが明らかになるなど、官邸や大統領室の工事にかかわる様々な疑惑が持たれている。現代建設は当初、「公式に把握できるルートでは、(警護処から迎賓館の新築工事の受注を約束されたという)そのような事実はない」としていたが、その後、「(新迎賓館の)建物の鳥かん図を警護処の要請により提出したのは事実だが、その後に設計に着手したというのは事実ではない」と釈明している。ハンギョレはキム元次長に電話とショートメッセージで釈明を求めたが、連絡がついていない。

 特検チームは今月13日、キム・ゴンヒ女史と緊密な関係を結んでいたほか、官邸の工事を請け負っていたインテリア施工業者「21グラム」などの関連業者に対する広範な家宅捜索を実施することをもって、官邸・大統領室工事疑惑についての強制捜査に着手している。

キム・ジウン、チョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1213921.html韓国語原文入力:2025-08-19 05:00
訳D.K

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