本文に移動

地雷除去でロシアの軍事技術を手に入れようとする北朝鮮…韓国大統領室「深刻な懸念」

登録:2025-06-19 06:38 修正:2025-06-19 09:18
北朝鮮の金正恩国務委員長がロシアのセルゲイ・ショイグ国家安全保障会議書記と17日に面会し、「両国間の条約の範囲内で協力する内容を確定し、関連計画を受諾した」と朝鮮中央通信が18日付で報道した/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮がロシアのクルスク州に工兵など北朝鮮軍6千人の追加派兵を決めたことが明らかになり、朝ロ密着が加速化しているものとみられる。ロシアは危険な地雷除去作業を北朝鮮に任せることができる一方、北朝鮮はかなりの規模の経済・軍事的見返りを期待できるという両国の利害関係が合致した結果だ。韓国大統領室はこれについて、「支持しない」という立場を表明した。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は17日に訪朝したロシアのセルゲイ・ショイグ国家安全保障会議書記と面会し、「両国間の条約の範囲内で、朝鮮民主主義人民共和国が協力する内容を確定し、関連計画を受諾した」。18日付「朝鮮中央通信」が報じた。追加派兵については具体的に言及しなかったものの、これを金正恩委員長自ら決定した可能性があることをほのめかしたのだ。

 ロシア安全保障のトップであるショイグ書記は、平壌(ピョンヤン)で金委員長と面会した後、ロシアの記者団に対し、北朝鮮がロシア領土に埋設されている地雷を除去する工兵1千人と、ウクライナの攻撃で破壊されたインフラを再建する軍事建設分野の5千人を派遣する予定だと明らかにした。「近いうちに作業が始まるだろう」と述べたことから、追加派兵は早急に進められるものとみられる。

 ロシアがクルスク州の再建作業に本格的に着手するためには、軍人・民間人を問わず安全を脅かす地雷をまず除去しなければならない。工兵の中で戦闘工兵は地雷の埋設と除去、防御陣地の構築などを専門とするが、北朝鮮軍は休戦ライン一帯で地雷の散布と除去の経験が豊富だ。ロシアにとっては北朝鮮軍の派兵により「危険の外注化(アウトソーシング)」が期待できる。

 北朝鮮は追加派兵で戦後復興市場を先取りすると共に外貨稼ぎもできる。韓国はウクライナ戦争が終われば、ロシアの再建事業に参加して経済的収益を狙うだけでなく、距離が開いた韓ロ関係の復元を目指しているが、北朝鮮がこれを遮断するために素早く乗り出したという点も注目される。

 韓国国家戦略研究院のドゥ・ジンホ・ユーラシア研究センター長は「北朝鮮が昨年11月に軍事偵察衛星を打ち上げてからは、その後さらなる打ち上げの動きはないが、ロシアが衛星技術を移転する可能性もある」と分析した。北朝鮮は戦闘兵の派遣の見返りとして、防空兵器、軍艦など先端軍事技術を伝授されたとみられてきた。

 韓国大統領室の高官は17日(現地時間)、主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれたカナダで、記者団に対し、北朝鮮軍の追加派兵について、「懸念しており、支持しない」と述べた。これに先立ち、外交部当局者は「朝ロが不法な協力を続けていることに深刻な懸念を表明し、直ちに中止することを求める」と述べた。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1203519.html韓国語原文入力: 2025-06-18 20:44
訳H.J

関連記事