本文に移動

韓国の人権団体「新大統領は韓国軍によるベトナム戦争虐殺の真実認めよ」請願運動

登録:2025-06-02 23:48 修正:2025-06-03 08:30
新大統領にベトナム戦争の真相究明に取り組むよう求めるプラカードを掲げる市民たち=韓ベ平和財団提供//ハンギョレ新聞社

 ベトナム戦争での民間人虐殺の被害生存者が6月に訪韓するのを前に、新大統領に「ベトナム戦争における民間人虐殺の人権侵害問題の真相究明」を求める請願運動が行われている。

 韓ベ平和財団(カン・ウイル理事長)の関係者は2日、ハンギョレに「財団をはじめ、『開かれた軍隊のための市民連帯』、『アーカイブ平和記憶』などの様々な団体が属する『ベトナム戦争問題の正義にもとづく解決のための市民社会ネットワーク』の提案により、遅ればせながら被害者たちの声に応えるよう新政権に求める請願運動をおこなっている」と述べた。社会的協同組合「パティ」で行われている請願の目標は、5万人の賛同署名を集めること。2日現在で2111人が署名している。市民代表団は訪韓予定のベトナム戦争民間人虐殺の2人の被害生存者と共に、今月20日に大統領室に請願を提出する予定だ。

 請願提案書は「12・3戒厳以降、民主主義、正義、平和に対する市民の意志が広場で噴出した。広場に集った声を通じて私たちは、韓国社会が先送りしてきた諸問題が『今日』の問題であることを確認し、連帯した」として、「私たちは、その一つがベトナム戦争期の韓国軍による民間人虐殺問題だと考える」と述べている。

 そして「6月にベトナム戦争での民間人虐殺の被害者である2人のグエン・ティ・タンさん(同姓同名)が訪韓し、自身の要求を韓国社会の至る所で訴える予定」だとして、2人の訪韓に合わせて請願運動をおこなっていると述べている。大韓民国政府を相手取って国家賠償訴訟を起こし、一審と控訴審で勝訴したフォンニィ出身のグエン・ティ・タンさん(65)と、真実・和解のための過去事整理委員会(真実和解委)に真実究明を申請して却下され、現在は行政訴訟中のもう1人のグエン・ティ・タンさん(68)は、ベトナム戦ネットワークの招きで今月18日から1週間の予定で訪韓する。

 請願提案書はまた、「グエン・ティ・タンさんは最初に起こした国家賠償訴訟の一審と二審での勝訴判決で真実が認められており、ベトナム政府もそれに歓迎の立場を明らかにしている」とし、「この問題をめぐって繰り返されてきた社会的対立はもう終わらせよう」と述べている。第20代(2016~2020年)と21代(2020年~2024年)の国会には、ベトナム戦争民間人虐殺被害事件を調査することを内容とする特別法案が提出されたが、制定には至っていない。同法案を推進してきた市民社会団体は現在、これまでの法案に参戦軍人に関する内容を補った「ベトナム戦争期の大韓民国軍隊による民間人および派兵軍人に対する人権侵害など真実究明法(ベトナム戦真実究明法)」を国会議員と共に検討している。

 請願書で要求しているのは、現在進行中のベトナム戦争民間人虐殺に対する国家賠償訴訟で、大韓民国は上告を取り下げ、被害者に謝罪すること▽法律を制定してベトナム戦争期に韓国軍によって行われた民間人に対する殺害、傷害、暴行、戦時性暴力などの一切の不法行為に対する真相調査を実施する公式の調査機関を設置すること▽大韓民国軍のベトナム戦争参戦を宣伝している龍山(ヨンサン)の戦争記念館などの公共施設と公共区域に、韓国軍によるベトナムの被害者に対する人権侵害を認める内容を展示すること、などだ。

 韓国軍はベトナム戦争期の1964年から1973年にかけてクアンナム、クアンガイ、ビンディン、フーイエン、カインホアのベトナム中部5省に32万人を派兵。現在までに130カ所あまりで1万人以上の民間人犠牲者が発生したと集計されている。韓国政府の公式調査は一度も行われていない。

コ・ギョンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1200746.html韓国語原文入力:2025-06-02 18:06
訳D.K

関連記事