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NVIDIAのファンCEO「米国の輸出規制は失敗、中国の半導体自立を早めた」

登録:2025-05-21 19:12 修正:2025-05-22 08:03
NVIDIAのジェンスン・ファン最高経営者(CEO)/ロイター・聯合ニュース

 台湾を訪れたNVIDIA(エヌビディア)のジェンスン・ファン最高経営者(CEO)が、米国政府に向かって意を決した発言をした。米国の対中輸出規制は、中国の半導体自立をむしろ早めた「失敗」だという指摘だ。

 21日、主な外国メディアの報道によれば、ジェンスン・ファン氏はこの日、台湾の情報技術(IT)博覧会「COMPUTEX TAIPEI 2025」で、「全般的に(米国の)輸出規制は失敗(failure)だった」と語った。これはバイデン政権時代に始まった米国の中国に対する半導体輸出規制を指すものとみられる。最近ではトランプ政権もNVIDIAが「H20」を中国に輸出できないようブレーキをかけた。「H20」は対中輸出規制に合わせて性能をわざと落として作ってきた中国用人工知能(AI)チップだ。

 ファン氏は米国の輸出規制が中国の「半導体自立」を煽っただけだと強調した。「4年前に95%だったNVIDIAの中国市場でのシェアは、今は50%に過ぎない」とし「残りは中国の技術だ」と述べた。「(輸出が滞れば)中国のAI研究者は自国製のチップや次善策を使うだろう」とし「輸出規制により現地企業は意欲が生まれた状況」だとも述べた。

 会社の中国事業が脅かされ、米国に公開的に規制緩和を要求したものといえる。NVIDIAの年間売上に占める中国の割合は13%に達するが、今後は輸出規制強化の影響で減少する見通しだ。「H20」の売上の空白を他の製品で埋めることができるのかも未知数だ。ファン氏は「(H20も)性能をかなり落とした製品」だとし、中国向けの新製品発売の可能性には一線を引いた。

 トランプ政権の最近の動きも考慮したと思われる。今月、トランプ政権はバイデン政権時に設けた「AI拡散」規制を廃棄し、新しい規制を導入すると明らかにした。15日に施行される予定だったAI拡散規制は、国別に等級を付けて輸入できるAIチップの量を制限する制度だ。ファン氏は「そもそもAI拡散規制の基盤になった前提に根本的に欠陥があることが立証された」として「米国がリードするためには拡散を制限するのではなく、極大化し加速化させなければならない」と述べた。

イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/global/1198650.html韓国語原文入力:2025-05-21 17:28
訳J.S

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