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韓国大邱市の山火事で近くの住民5630人に避難命令…「発火地点、登山路ではない」

登録:2025-04-29 06:34 修正:2025-04-29 07:03
28日午後2時1分頃、大邱市北区魯谷洞の函芝山で起きた山火事が夜にも広がっている/聯合ニュース

 28日午後、大邱市北区魯谷洞(テグシ・プック・ノゴクドン)の函芝山(ハムジサン)で起きた山火事は同日夜まで続いた。火は強風に乗って民家方向に拡散し、住民の避難命令が出された。

 この日の午後2時1分頃、大邱市北区魯谷洞のサン53一帯で山火事が発生した。山林庁は午後3時10分、山火事対応第1段階を発令し、30分後の3時40分には第2段階に引き上げた。さらに午後6時には第3段階に格上げされた。消防当局は午後4時5分、国家消防動員令を下した。「国家消防動員」とは、災害が発生したか差し迫っている市や道の消防力だけでは火災などの災害への対応が難しい場合、国が消防力を災害現場に動員・管理する一連の措置をいう。この日の午後7時30分基準で、山林当局はヘリコプター「スリオン」2機と高性能山火事鎮火車両をはじめとする鎮火車両76台、鎮火人員766人を投入した。山火事の影響区域は151ヘクタールであり、鎮火率は19%だった。全体の火の長さは10.6キロメートルであり、この内2キロメートルが消し止められた。

 消防当局は同日、日没前後に鎮火作業に投入したヘリの大半を撤収し、民家周辺への拡散を防ぐため、民家の防御線の構築に力を入れた。当局は魯谷洞や助也洞(チョヤドン)、西辺洞(ソビョンドン)、鳩岩洞(クアムドン)など5630人余りの住民に災害メッセージを送り、前もって避難命令を下した。現在119人が八達小学校と梅川小学校、東辺中学校に避難している。現在、火は民家に燃え移ってはおらず、午後10時現在確認された人命被害はない。

 ただ、同日夜の間に山火事現場には平均風速秒速2.7メートル、最大瞬間風速が秒速5メートルに達する比較的弱い風が吹くとの予報が出ていた。当局は夜間にスリオン2機などを投入して鎮火し、29日に夜が明けると同時に鎮火ヘリ36台などを再投入して大々的な鎮火作業を行う予定だ。

 大邱警察庁は山火事現場に機動隊7中隊など500人余りを配置し、交通統制や住民待避などの措置を取っている。大邱市教育庁は火災が発生した近隣地域である城北小、西辺小、西辺中の3校に対し、29日の休校を決めた。

 1日から大邱市の「山火事予防行政命令」で、立ち入り禁止された函芝山で火が出た原因はまだ明らかになっていない。キム・ジョンギ大邱市長権限代行はこの日夕方、山火事現場で開いたブリーフィングで、「発火地点は立ち入り禁止区域であり、正常な登山路ではないことが分かった。正確な発火原因は山火事を鎮火した後に調査する予定だ」と述べた。

 コ・ギドン中央対策本部長は「都市型山火事の特性を考慮し、脆弱階層を直ちに事前避難させ、民家周辺に防火線を構築し、人命と財産の被害を防ぐことに最優先措置を取れ」と指示した。ハン・ドクス大統領権限代行首相も「大邱市北区および近隣自治体は、被害が懸念される地域の住民たちが迅速に安全な場所に移動できるよう、全行政力を動員して先制的に支援してほしい」と述べた。

 一方、函芝山の山火事の影響で、韓国道路公社は同日午後4時、京釜高速道路の北大邱(プクデグ)インターチェンジ(IC)の両方向の出入りを遮断した。

キム・ギュヒョン、チャン・スギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/area_general/1194767.html韓国語原文入力:2025-04-28 23:15
訳H.J

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