イ・ソギョン弁護士が、「内乱首謀容疑者」尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は憲法裁判所で全員一致で罷免されるとの見通しを示した。イ弁護士は大韓民国の憲法研究官第1号であり、李明博(イ・ミョンバク)政権で法制処長を務めた憲法学者だ。
イ弁護士は8日のJTBCニュースルームに出演し、「憲法裁判官の全員一致で罷免決定が下ると思う」、「遅くとも3月上旬までには憲法裁が宣告すると思う」と述べた。尹大統領の弾劾事由はそれだけ明白だということだ。イ弁護士は、尹大統領の非常戒厳宣布が国務会議での審議などの手続き的要件を満たしていないこと▽憲法上の非常戒厳の発動要件にも合致しないことなどをその理由にあげた。
そして、「(尹大統領は)明白に憲法に違反した状況」だとし、「それをもって何か弾劾陰謀論だとか企画論だとか、工作論だとか、それ自体が入り込む余地がない」と述べた。尹大統領が自身の弾劾審判を「政治工作」だと規定していることに対する反論だ。
イ弁護士は、チェ・サンモク大統領権限代行兼副首相がマ・ウンヒョク憲法裁判官の任命を拒否したことについても、「当然、憲法に則って任命しなければならない」とし、「それをもって両論があるかのようにごまかすのは法曹人として、憲法を研究した一人の人間として情けない」と批判した。与党関係者たちが非常戒厳を批判しながら大統領の弾劾には反対するというダブルスタンダードを示していることについては、「つじつまが合わない論理矛盾」だとし、「法的知識が備わっていない人々を、ある意味では惑わしている。法曹人として懐疑を感じる」と述べた。
イ弁護士は、最後まで過ちを認めず詭弁(きべん)ばかりを弄する尹大統領も強く批判した。特にソウル拘置所に収監された尹大統領が「大統領は国民の自尊心」、「堂々とした姿勢を堅持しようと思う」と語ったことについては、「それを尹大統領が自ら言ったというのは実におかしいと思っている。実に情けない」と語った。
イ弁護士は「混乱した違憲事態を作っておきながら、心から謝罪したことがない。まだ『戒厳は正当な権限でおこなった』と言って国民を扇動し、猛烈な支持者をあおって国を精神的な内戦状態へと導いている」とし、「ある意味、無政府状態にまで導こうとしているのではないかと懸念される」と述べた。そして、「国民を見くびってはならない。国民の前で正直であれ。今からでもこのような事態を招いたことに対するすべての責任を取って辞任せよ。あなたが作った未来が韓国の歴史となってはならない」と述べた。