本文に移動

[社説] 警察の拷問捜査、真相明らかにし根絶を

登録:2010-06-18 12:04
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/426058.html

原文入力:2010-06-16午後09:44:54(1098字)

警察が自白を得るために多くの被疑者を拷問したと判断されるという国家人権委員会の調査結果が出た。トイレットペーパーやタオルで被疑者の口にクツワをはめ、頭部を足で踏みつけ、後手錠をかけた両腕を頭側に折り上げる‘翼折り’などで "息が絶える直前まで" 苦痛を与えたということだ。1980年代まで公然と行われてきた警察の拷問捜査がまさにそうだった。十数年前にすでに無くなったと信じられた野蛮な捜査形態が未だに残っているとは驚くべき衝撃とならざるをえない。

拷問捜査をしたと名指しされたソウル、陽川警察署は人権委のこういう発表を否認した。だが、昨年8月から今年3月末まで この警察署で調査を受け起訴された被疑者32人を人権委が直接調査したところ、その内の22人が同じような拷問を受けたと一貫して具体的に述べたという。拘置所と病院診療記録など関連証拠が一つや二つでなく、今も拷問後遺症が残っている人々もいる。拷問の末に無理に余罪を自白し、検察の調査でなかったことになったケースもあり、拷問捜査がなかったという警察の主張はとうてい信じ難い。警察は1987年パク・ジョンチョル拷問致死事件の時も無茶苦茶な主張をして明白な拷問事実を否認した経緯がある。

こうしたことが陽川署1ヶ所だけであったのかという疑いも出てくるほかはない。人権委発表によれば、警察は証拠を残さないよう事務室内の閉回路テレビの死角地帯や車の中で被疑者たちを拷問したという。事実ならば被疑者人権保護のための各種装置や制度も別に効果がなかったことになる。捜査の成果を簡単に上げようとする誘惑から、全く不法なそのような苛酷行為を犯したのだとすれば、他の警察署でも同様なことがありうる。今回の事件の真相を明確に糾明し関連警察官を厳罰しなければならない理由がここにある。

人権が重視される社会では拷問や苛酷行為が起きにくい。李明博政府はこの間、表現の自由や集会の自由などの基本権を無視しているという批判を受けてきた。人権侵害を憂慮する国際機構などの度重なる指摘にも知らぬフリをしてきた。反対に無差別不審検問を復活しようとした。政府が人権保護の先頭に立つどころか、自ら人権退行の先に立ち煽ったわけだ。そのような雰囲気で一線警察まで拷問捜査などの誘惑に簡単に陥ったのだろう。警察に劣らず政府の認識転換が至急必要だ。

原文: 訳J.S