北朝鮮のロシア派兵が事実である場合に備え、米国は政策オプションを検討中だとされる。しかし、現実的には適切な政策手段がないためあきらめていると、米政治メディア「ポリティコ」が21日(現地時間)報じた。
ポリティコは「米ホワイトハウスの国家安全保障会議は『報道が事実の場合に備え、政策オプションを検討中だ』と述べたが、具体的な内容は明らかにしなかった」とし、「国防総省の報道官も『報道を調査しており、このことの意味について同盟国やパートナーたちと協議している』と述べた」と報じた。しかしポリティコは、複数の米国の官僚の話を引用し、「モスクワと平壌(ピョンヤン)の間で進展する同盟を阻止できる実質的な手段は、事実上米国にはほとんどない。米国は北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルの計画を遅らせることにも失敗した」と付け加えた。
米国が用いる代表的な手段は制裁と輸出規制だが、北朝鮮に対してはほとんど効果がないことが、このようなあきらめの原因だと指摘した。ポリティコは官僚たちの話を引用し、「ロシアが北朝鮮との関係をふたたび強化し、孤立する北朝鮮政権に国際的な圧力に影響されない外交的生命線を提供した」として、「プーチン(ロシア大統領)は今年初め、北朝鮮に対する国連制裁監視プログラムを拒否し、北朝鮮との防衛および安全保障協力を中止または修正する意志がまったくないことを示した」と報じた。
朝米間の対話の窓口が閉ざされている点も、米国の身動きの幅を狭めていると診断した。北朝鮮が4年前のジョー・バイデン大統領の就任後、米国とのコミュニケーションを事実上断絶したため、「朝ロ密着」について対話を始めるスタートラインさえまったく存在しないということだ。ポリティコは「東アジアで同盟を強化し、北朝鮮、中国、ロシアに力を誇示すること以外には、有効な手段はない」と評した。
米国の官僚たちは、北朝鮮軍がロシアで正確に何をするのかわからず、不安を感じているという。一部の米国の官僚や議会補佐官は「北朝鮮軍が西側の防衛システムに対する戦闘経験と技術的ノウハウをロシア軍から取得する可能性がある」と予想した。アジアの安全保障問題を扱うある議会補佐官は「北朝鮮が何をするのかまだ不確実だが、どのような選択をしようとも、結果は悪いものだろう」と述べた。