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韓国与党代表と大統領室、大統領夫人の「陰の実力者説」めぐり対立

登録:2024-10-15 06:21 修正:2024-10-15 09:53
尹錫悦大統領と国民の力のハン・ドンフン代表が7月24日、ソウル龍山の大統領室庁舎で新指導部との夕食会のため移動している=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 与党「国民の力」のハン・ドンフン代表は14日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫人のキム・ゴンヒ女史に対し「公的地位のある人ではない。そのようなライン(キム女史の息のかかった勢力)が存在してはならない」と述べた。大統領室は「女史のラインなど存在しない。大統領室に秘密裏に運営される組織はない」と反論した。9日「キム女史の活動自粛要求」以来、ハン代表が連日尹錫悦大統領に対する圧力を強めたにもかかわらず、これまで沈黙を守ってきた大統領室から出た初めての反応だ。ハン代表と大統領室の緊張感は一段と高まっているが、大統領室は「来週初めに単独面会」を予告し、対立の拡大を自制する雰囲気だ。

 ハン代表は同日、国会で開かれた党最高委員会議後、記者団に「公的地位のある人ではない方のラインが存在すると国民が誤解し、マスコミがそれを既成事実と考えることは、国政の信頼にプラスにならない」と述べた。12日に要求した大統領室の人的刷新は「キム・ゴンヒ・ライン」を片付けることだという意味で釘を刺したのだ。ハン代表はこのところ「キム女史の公開活動自粛」(9日)、「(ドイツモーターズ株価操作事件と関連して)検察は国民が納得できる結果を出さなければならない」(10日)、「大統領室の人的刷新」(12日)など、尹大統領にキム女史問題を解決するよう要求を重ねてきた。

 ハン代表の側近たちは、10月16日の再・補欠選挙で「キム・ゴンヒ・リスク」を最小化するための取り組みであると同時に、尹大統領との単独面会が「成果なし」で終わってはならないという意味だと説明した。実際、ハン代表はこの日「単独面会は意思疎通の一つに過ぎない。唯一の方法ではないのでは」としたうえで、「重要なイシューについて与党代表が要請し、大統領が受け入れ、変化と刷新のきっかけにすれば、国民の信頼を取り戻す道になる」と述べた。親ハン・ドンフン派の議員は「世論があまりにも良くないため、尹大統領がキム女史の問題について答えを出すべきだと圧力を加えている」とし、「大統領が答えを出さず、何の成果もなく単独面会を終わらせるのは、二人とも自滅するうということ」だと語った。

 ハン代表が大統領固有の権限である人事権まで公開的に問題視しているにもかかわらず、沈黙を守ってきた大統領室は、この日「大統領室のラインは『大統領ライン』のみ」として、初めて反論した。大統領室高官は「(キム・ゴンヒ)女史ラインなどない。最終的な人事決定権者は大統領で、大統領室には秘密裏に運営される組織などない」と不快感をあらわにした。親尹錫悦派の議員も「キム女史ラインという存在を作り出す人々の方が奸臣」だと激昂した反応を示した。

 しかし、大統領室の関係者は「尹大統領とハン代表の面会は再・補欠選挙後、日程調整を経て、来週初めに早期に行うことにした」と述べた。ハン代表が尹大統領夫妻に連日圧力を加えることには不満を抱いているが、尹大統領とハン代表の軋轢(あつれき)が深まり、目前に迫った再・補欠選挙に悪影響を及ぼすことは避けるためとみられる。ただし、大統領室はハン代表が要請した「単独面会」の代わりに「面会」という言葉を使い、大まかな時期以外に具体的な議題と形式は決まっていないと伝えた。

ソ・ヨンジ、チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1162530.html韓国語原文入力:2024-10-15 00:49
訳H.J

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