「計算された分裂の試み」なのか、未曾有の二分された光復節で窮地に立たされた尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領による「即興の復讐劇」なのか。国家報勲部(報勲部)が独立分野の公法団体として光復会のほかに他の団体を追加指定する案を検討していることが明らかになり、波紋が広がっている。
独立分野の公法団体を追加指定しようとする動きは今回が初めてではない。政界では昨年、与党「国民の力」のソン・ソクジュン議員らが、殉国烈士遺族会などの公法団体の指定を推進したが、報勲部の反対で断念した。当時、報勲部は「国民的共感の形成と社会的合意が必要だ」として慎重論を展開した。
その報勲部が突然態度を変え、公法団体の追加指定の地ならしに乗り出したことをめぐり、報勲団体と政界を中心に「大統領室黒幕説」が広がっている。大統領室としては、キム・ヒョンソク独立記念館長の任命に反対したうえで、光復節の慶祝式典への出席を拒否し、大統領を窮地に追い込んだ光復会を何とか「お仕置き」する必要があったということだ。
光復会が報勲部から予算の支援をもらっているのは、光復会が「国家有功者など団体設立に関する法律(国家有功者法)」による公法団体に指定されているためだ。公法団体とは、国や地方自治体の権限を委任され、公益的な業務を遂行する団体をいうが、公法団体に指定されれば、国家予算の支援を受け、収益事業も展開できる。光復会には報勲部から毎年30億ウォン(約3億2700万円)前後の予算が支給されている。このため、これまで多くの団体が報勲部と国会に公法団体としての認定を要請してきた。
しかし、政府はこれまで公法団体の追加指定に慎重だった。複数の団体が公法団体の認定を求める状況で、特定の団体を追加するのは公平性に反する恐れがあるという理由からだった。実際、報勲部は昨年11月、国会政務委員会に提出した法案検討報告書で、「改正案と関連し、国家報勲部は既存の公法団体である光復会と設立目的と会員の資格が類似した殉国烈士遺族会を別途の公法団体として設立することは、国民的共感の形成と社会的合意が必要な事案であり、慎重を期する必要があるという立場」だとし、反対を表明した。
ところが、それから9カ月後、政府の立場が手のひらを返すように変わった。報勲部の関係者は22日、ハンギョレに「光復会という団体が独立運動のすべてを代弁する団体なのかに疑問を呈し、反対する人も多い。『光復会を放っておいてはいけない』という苦情の電話も殺到した」とし、「公法団体追加指定問題を検討せざるを得ない状況」だと語った。これについて、民族問題研究所のバン・ハクチン企画室長は、「光復会が大統領に睨まれた。気に入らない光復会の権威を傷つけ、弱小化を狙ったものとみられる」と話した。
当然、光復会は反発した。イ・ジョンチャン光復会長は21日、ソウル汝矣島(ヨイド)の光復会館で開かれた「対日請求権社会貢献」学術討論会で、「(1965年)光復会がなぜ設立されたのか。朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が対日請求権資金を国家発展のために使う際、(本来その金をもらうべき)独立有功者にその果実を返すために光復会を設立したのだ」と述べた。光復会が唯一の独立分野の公法団体として地位を享受する十分な理由があるという意味だ。
波紋が広がると、大統領室は公法団体追加指定と関連して「決定されたことはない」と一歩引いた。大統領室高官は「様々な団体が公法団体として認定してほしいと要請してきたが、法改正が必要であるため、大統領室ですぐに決められる事案ではない」と語った。