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[社説] 5・18記念演説で‘街頭政治’叱責したイ大統領

登録:2010-05-19 11:18
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/421328.html

原文入力:2010-05-18午後07:11:10(1133字)

李明博大統領は予告通りに昨日開かれた5・18光州民主化運動30周年記念式に参加しなかった。チョン・ウンチャン総理を代わりに送り、記念演説を読むようにしただけだ。記念演説は5・18民主化運動に対する儀礼的賛辞もあったが、‘中道実用主義が5・18精神を継承発展させる道’というような我田引水式発言が中心だった。イ大統領は特に「法を無視した街頭の政治と無責任なポピュリズムに寄り添うことが少なくない」という叱責までした。

イ大統領が他の所でもない5・18記念式場で‘街頭の政治’を批判したことは意味深長だ。彼はすでに大統領候補時期‘5・18事態’という表現を使い世論の厳しい批判を受けたことがある。だが、それは単純な失言ではなかった。 彼の胸中の深いところには‘市民の力’‘民主化運動’等に対する生来的拒否感が位置しているようだ。そのうえ、ロウソクのあかり事態を体験して より一層深まった拒否感がこの日の発言で表出されたと見るほかはない。

本質的に30年前の光州、錦南路の市民の波と、この時代のソウル広場のロウソクのあかりの波はその脈を同じにする。それは国民が主人になる社会のための市民の純粋な熱望の表現であり、権力の暴圧に対抗した主権者としての正当な抵抗だ。イ大統領はこういう価値を否定したかったのだ。その一方で、彼は「権威主義が終息し自由のあふれる国になった」と話す。ほんの数日前にフランク ラルィ国連意志・表現の自由特別報告官がソウルを離れる際に「韓国の表現の自由が萎縮している」 と指摘したことも彼の耳には聞こえないようだ。彼のこういうわい曲された見解は現政権スタート以後、私たちの社会の民主主義が後退する根本原因がどこにあるかをよく示している。

イ大統領の態度がこのようなので政府もあらゆる方式で5・18民主化運動をさげすみ冷遇するということだ。長年にわたり‘5月の歌’に位置した‘あなたのための行進曲’を何としてでも追慕曲から排除したことは言うまでもない。世論の非難に押され結局は演奏されなかったものの、宴会場にでも似合いそうな京畿民謡‘パンア打令’風楽(訳注:韓国伝統音楽)を5・18記念式場で演奏するという浅はかな発想もそこから出てきたものだ。雨の降る5・18記念式場で遺族たちが警察の阻止を突き抜け、あなたのための行進曲を歌う風景、これがまさに光州民主化運動30周年をむかえた私たちの時代の自画像だ。

原文: 訳J.S