ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が早ければ今月中に平壌(ピョンヤン)を訪問するというロシア現地メディアの報道が出た。
ロシア紙「ベドモスチ」は10日、外交筋の話として「プーチン大統領が今後数週間以内に北朝鮮とベトナムを相次いで訪問する予定」だとし、「プーチン大統領は6月中にベトナムを訪れる可能性があるが、訪朝直後に(ベトナム訪問が)行われる可能性が高い」と報じた。
プーチン大統領は先月7日、5期目の任期を始めてから、初の外遊先として中国(15~16日)を選んだ。その後、ベラルーシ(23~4日)とウズベキスタン(26~28日)を相次いで訪問した。
今回の訪朝が実現した場合、プーチン大統領にとっては2度目の平壌訪問になる。2000年5月の最初の大統領当選から2カ月後の同年7月19日、北朝鮮を訪問し、金正日(キム・ジョンイル)総書記と首脳会談を行った。これはロシアの最高指導者としては初めての訪朝だった。
プーチン大統領の24年ぶりの訪朝は、昨年9月12~17日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がロシアを訪問したことに対する答礼訪問に当たる。当時、ロシアのアムール州ボストーチヌイ宇宙基地で開かれた首脳会談の際、金委員長がプーチン大統領を招待したと、北朝鮮官営「朝鮮中央通信」が報道した。その後、プーチン大統領が5期目の任期を始めた直後の先月30日、ロシアのアンドレイ・ルデンコ外務次官は「プーチン大統領の平壌訪問を積極的に準備している」と述べた。
プーチン大統領の訪朝は米国に向けた「警告メッセージ」の一つとしてもみられている。ベドモスチは「ロシアと北朝鮮間の友好、親善と協力に関する条約には軍事的側面がないが、(両国の)平和と安全を脅かされる状況に備えた問題を協議する可能性について言及している」としたうえで、「さらにロシア、中国、北朝鮮の次官級協議の再開は実際に日本や韓国を含め地域の軍事ブロックを作る米国に対する『シグナル』になりうる」と指摘した。また、2年以上ウクライナ戦争をしているロシアが、プーチン大統領の今回の訪朝を通じて、北朝鮮との軍事協力に拍車をかけるという見方もある。
ベドモスチは「ウクライナ戦争以降、ロシアは兵力動員、若年層の海外逃避などで深刻な労働力不足に苦しんでおり、両首脳が北朝鮮から移住労働者を連れてくることについて話し合う可能性もある」と報じた。さらに、プーチン大統領が両国の経済関係を西側の対北朝鮮制裁以前に戻すことに関して金正恩委員長と協議する可能性もあると予想した。
ただし、プーチン大統領の訪朝は、北朝鮮訪問が実際に行われるまでは確認が難しい。ベドモスチは専門家の話として「ロシアの高官らがプーチン大統領の訪朝を準備するためにすでに北朝鮮を訪問したか、訪問を準備する可能性が高い」とし、「1984年の金日成(キム・イルソン)主席のソ連訪問は列車が国境を越えた後に発表されたように、北朝鮮は伝統的に国家元首の訪問日を最後の瞬間まで秘密にする」と説明した。