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独島でイエネズミが繁殖…船に乗って来たか、泳いで来たか

登録:2024-05-21 02:14 修正:2024-05-21 07:08
2021年、無人センサーカメラにとらえられた独島のイエネズミ=大邱地方環境庁提供//ハンギョレ新聞社

 天然保護区域となっている独島(トクト)でイエネズミが急増しており、韓国の環境当局が管理対策に乗り出す。

 環境部傘下の大邱(テグ)地方環境庁は20日、2025年5月までに委託研究によって独島のイエネズミの生息状況を把握するとともに、流入要因などを分析して、さらなる流入の防止対策などを立てる計画であることを明らかにした。

 大邱地方環境庁の「独島生態系有害種イエネズミ管理事業推進計画」などによると、独島にイエネズミが流入したのは2008年と推定される。ネズミの流入は2010年に行われた独島生態系モニタリングで、西島(ソド)の砂利地でイエネズミの死骸が発見されたことで初めて公式に確認された。東島(トンド)でも2015年からイエネズミの生息が確認されている。昨年発行された「独島生態系モニタリング報告書」は、人間、独島警備隊が飼っているサプサル犬、東島のプチェバウィ(扇岩)付近で観察された1頭のオットセイを除くと、イエネズミが独島に生息する唯一の哺乳類だと述べている。

天然記念物第336号の独島でイエネズミが急増し、環境当局が管理対策に乗り出す=大邱地方環境庁提供//ハンギョレ新聞社

 本土は最も近い蔚珍郡(ウルチングン)でも200キロ以上離れている。ネズミはどのように独島にたどり着いたのだろうか。大邱地方環境庁の関係者は、「いつからイエネズミが独島に生息しているのかは明確でない」としながらも、「ただし独島で工事が行われた際に、船舶に乗ってやって来た可能性がある」と語った。また、ネズミは泳ぎがうまいため、船が島に着岸せずとも、近くにいるだけで島に到達できるという。

 外部から流入した「外来種」であるイエネズミは、独島の固有の生態系をかく乱している。イエネズミは独島を訪れるヒメクロウミツバメなどの渡り鳥、ウミネコの卵やヒナを食い荒らしている。また、漁民の宿舎や独島警備隊の周辺に主に生息しているため、イエネズミの排せつ物から病気に感染する恐れもある。

 当局が周期的に「独島外来生物実態調査およびモニタリング」事業などを実施し、イエネズミの捕獲に当たっているが、生息密度は高まり続けている。イエネズミは1組のつがいが1年に最大460匹の子を産むほど繁殖力が強い動物。独島でイエネズミが最も多く出没するのは西道住民の宿舎だ。昨年5月に独島に設置され、10月まで運用された5台の無人センサーカメラの映像を分析したところ、ネズミは716回捕捉された。そのうち西道住民の宿舎のそばで捕捉された割合は50.14%(359回)にのぼった。

 蔚珍郡と文化財庁も2019~2020年、2021~2022年の2回にわたり200匹近いイエネズミを捕獲しているが、個体数は大きくは減っていない。2021年のモニタリングでは、独島に生息するネズミの個体数は100~150匹あまりと推定されている。

独島。左が西島、右が東島=大邱地方環境庁提供//ハンギョレ新聞社
わなにかかったイエネズミ=大邱地方環境庁提供//ハンギョレ新聞社

 ただし大邱地方環境庁は、完全撲滅ではなく個体数の適切な管理に焦点を合わせて対策を立てる計画だ。大邱地方環境庁の関係者は、「このかん独島へのアクセスと事業遂行機関の選定の問題のせいで事業がきちんと推進できていなかったが、最近関係機関が意志一致して対策を立てることを決めた。来年5月まで行われる生息実態調査をもとに、死骸処理方法、さらなる流入の防止など、適正な管理対策の立案に焦点を合わせて進めていく計画」だと述べた。

キム・ジスク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/human_animal/1141314.html韓国語原文入力:2024-05-20 17:34
訳D.K

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