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[社説]公権力乱用に線ひいたオバマ

登録:2009-01-24 17:38

原文入力:2009-01-23午後06:15:33
バラク・オバマ米国大統領が就任後初めての措置の一つにキューバ,グアンタナモ基地内のテロ容疑者収容所を閉鎖し拷問を禁止する行政命令を発表した。国外中央情報局の監獄もなくした。ジョージ・ブッシュ前行政府時期の常習的な公権力乱用と明確に断絶するという宣言だ。

今回の措置はどんな安保上の理由も人権保護より先んじることができないことを確認した点に意味がある。ブッシュ前行政府は2002年からグアンタナモ収容所三ヶ所にテロ容疑者を長期不法拘禁し拷問を行ってきた。また9・11テロ直後から東ヨーロッパ諸国とアフガン・タイなどに中央情報局秘密監獄を運営してきた。 これら施設を通り過ぎた人は数千~数万に達すると推定される。これに対して国際社会の非難が荒かったが、ブッシュ前行政府はテロとの戦争遂行に必要だとし耳を傾けようとしなかった。2004年には米軍がイラク,アブグレイブ収容所に監禁したイラク人に拷問と性暴行などを犯した事件が暴露されたことがある。

オバマ大統領は今回の措置を発表して「やさしい時だけでなく難しい時にも核心的な行動基準を遵守する」と公言した。彼は先日の就任演説では「安保と理想の間の誤った選択を拒否する」と言った。 安保を口実に人権を侵害してきた誤った慣行をどんな困難があっても正すという意味だ。彼のこういう意志がはやく根をおろし米国に対する国際信頼が高まる契機になるように願う。進んでこういう試みがテロとの戦争を根本的に再検討し、葛藤と軍事対決ではなく協力と共栄を指向する新しい国際秩序創出努力につながることを期待する。

米国の今回の措置は公権力乱用に無関心な他の国の政府にも多くの示唆する点を与える。特にブッシュ前行政府とイ・ミョンバク政府は安保と治安という強調する点は違うものの人命を最優先とするよりは簡単に物理力を前面に出してきた点で似ていた。政府は国際社会と絶対多数の米国人がなぜ今回の措置を高く評価するのかよく考えてみなければならないだろう。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/335078.html

原文: 訳J.S