選挙が自由かつ公正でないという不信感と、民主主義を尊重しない強い指導者を好む世論が、全世界に広がっていることを確認できる調査結果が出た。
AP通信の11日(現地時間)付の報道によると、スウェーデンのシンクタンク「国際民主主義・選挙支援研究所」(IDEA)は、世界19カ国の世論調査結果を盛り込んだ報告書「民主主義に対する認識」を発表し、11カ国で選挙を信頼するという人が半数以下だったと明らかにした。
世論調査は米国、デンマークやイタリアなど欧州4カ国、ブラジルなど南米3カ国、タンザニアなどアフリカ4カ国、インドや韓国などアジア太平洋7カ国を対象に実施された。調査人数はソロモン諸島(526人)を除いた残りの国ではそれぞれ1500人だった。同調査では「自由で公正な選挙」、「司法正義」、「表現の自由」、「政府に対する満足度」、「若い世代の経済状況が親世代より良くなる可能性」などについて尋ねた。
報告書は「11カ国で直近に実施された選挙に信頼を示した人が半数以下だった」とし、「専門家たちが選挙の信頼性が非常に高い国に挙げる台湾でも、2020年の選挙に信頼を示した回答者が40%に及ばなかった」と指摘した。さらに「これは米国でも同じで、選挙手続きに対する信頼を示したのは回答者の47%だけだった」と説明した。タンザニアとデンマークは回答者の70%以上が肯定的な意見を示し、選挙への信頼度が最も高い国だった。
また、自らを「少数者(マイノリティ)」と考える人々や低所得層が特に、選挙が自由でも公正でもないという認識を強く持っていたとし、イラクやパキスタン、ルーマニア、ソロモン諸島などでこのような現象が目立ったと説明した。
さらに、8カ国では議会や選挙を重んじない非民主的で強い指導者を好む意見が半分を越えたと明らかにした。非民主的な指導者に対する「極めて否定的な」意見が過半数を占めた国は一国もなかった。非民主的な指導者に対する反対は韓国(回答者の73%)で最も強く、デンマーク、台湾、米国、イタリア、コロンビアでも反対が強かった。
表現の自由が常にまたは一般的に保障されるという回答はデンマーク、タンザニア、ソロモン諸島、チリ、ガンビアの順に比率が高かった。裁判所が「正義に対するアプローチ」をきちんと保障するという意見が回答者の半数を越えた国はデンマークだけだった。イタリアとコロンビアでは、肯定的な回答が全体の10%にも及ばなかった。
5つの分野で肯定的な意見が最も多い国はデンマークだった。この国では選挙、裁判所、表現の自由、若い世代の経済状況など4つの分野で肯定的な回答が半数以上だった。タンザニアは選挙と表現の自由、政府に対する満足度の3分野で肯定的な回答が50%をはるかに越えた。韓国は、選挙と表現の自由に対する肯定的な回答が半数をやや超えており、裁判所の信頼と政府に対する満足度では肯定的な回答が30%を下回った。