独島は「韓国が不法占拠している」との主張を強めるとともに、日帝強占期の加害の歴史を曖昧にする方向で記述された日本の新しい中学校の教科書が22日、文部科学省の検定を通過した。これに対し韓国政府は「深い遺憾」と「抗議」を表明した。外交部のキム・ホンギュン第1次官はこの日午後、外交部庁舎に日本の相星孝一駐韓大使を呼び、抗議の立場を伝えた。
外交部はこの日の報道官声明で、「日本政府が独島に対する不当な主張と歴史的事実に符合しない主張にもとづいて記述された中学校教科書を検定で通過させたことに、深い遺憾を表明する」とし、「歴史的、地理的、国際法的に明白な韓国固有の領土である独島に対する不当な主張が含まれる教科書を、日本政府がまたも検定で通過させたことに強く抗議し、独島に対する日本のいかなる主張も受け入れられないことを明確にする」と強調した。そして「日本軍慰安婦被害者問題および強制徴用(動員)問題に関する表現と叙述は、強制性があらわにならない方向へと変更された」として、強い遺憾の意を表した。
教育部も「中学校の社会科の教科書は、韓国固有の領土である独島に対する不当な主張と共に、朝鮮人強制動員、日本軍『慰安婦』などの歴史的事実についてわい小化、隠蔽する内容があるため、2020年に初めて検定審査を通過した際に是正を要求したにもかかわらず、今回の検定結果に反映されなかった」とし、「強く抗議し、即時是正を求める」と述べた。
外交部は日本政府の措置に遺憾の意を表しつつも、「未来志向的な韓日関係」を強調した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の強調する韓日関係の改善を念頭に置いたものとみられる。外交部は「未来志向的な両国関係構築の根幹は、正しい歴史認識から出発する」と述べた。