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韓国人逮捕・通知・公開、圧力を高めるロシア…ウクライナへの兵器供与に対する警告か

登録:2024-03-13 06:29 修正:2024-03-20 09:17
モスクワのレフォルトヴォ拘置所/AFP・聯合ニュース

 北朝鮮脱北者支援活動をしてきたとされる韓国人が、今年初めにロシアでスパイ容疑で逮捕され、拘禁されていると、ロシア官営メディアが11日付で報じた。韓国人がロシアでスパイ容疑で逮捕されたのは今回が初めてだが、韓ロ関係の危機がさらに深まるものと懸念される。

 ロシア官営のタス通信は11日(現地時間)、韓国人のペク氏が今年初め、ロシア極東地域のウラジオストクで、スパイ容疑で逮捕された後、2月末にモスクワに移送され、レフォルトヴォ拘置所に拘禁されていると報道した。報道によると、ペク氏には国家機密情報を外国情報機関に渡した容疑が持たれており、それと関連した刑事事件資料が「一級機密」に分類されたという。

 ペク氏に適用されたスパイ容疑の具体的な内容などは確認できない。しかし、今回の事件が最近悪化した韓ロ関係、ロシアと北朝鮮の密着などに関係があるものとみられている。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻後、韓国が西側主導の対ロ制裁に参加したことを受け、ロシアは韓国を非友好国に指定したうえ、昨年からはロシアが北朝鮮と軍事協力に乗り出し、両国は戦略的協力を強化している。

 ロシアがこれを公開した時期も微妙だ。ペク氏が今年1月にロシア連邦保安庁(FSB)に逮捕された当時、ロシアはこれを韓国政府に知らせなかったが、先月になって文書で通知してきたという。通常、このような事件は当事者の身辺安全のために非公開で協議が進められる。ところが、ロシアは今回この事件を官営メディアを通じて公開した。ロシアが韓国のウクライナ兵器供与などを非常に深刻に捉え警告してきた状況で、韓国の一部から最近ウクライナ兵器供与の声が上がっており、これに圧力を加えるための措置とも考えられる。外交部当局者は「(ペク氏の)逮捕事実を認知した直後から必要な領事助力を提供し、韓ロ両国の外交チャンネルを通じて意思疎通を図っている」とし、具体的内容は現在調査中の事案であるため言及を控えたいと述べた。

 急速に密着している朝ロ関係も、今回の事件に影響を及ぼした可能性がある。逮捕されたペク氏は、宣教師としてロシア極東地域と中国などを行き来しながら、北朝鮮脱北者と労働者などを支援する活動を行ってきたという。彼は今年1月、中国から陸路でウラジオストクに入国した後、数日後に逮捕されたという。ペク氏の妻も逮捕されたが、釈放され、現在は韓国にいるという。昨年から北朝鮮と密着しているロシアが、脱北者問題で北朝鮮側の立場に積極的に同調し、韓国人の活動に対する処罰を強化しようとする可能性がある。

 ロシアのウクライナ侵攻後、外国人数人がロシア当局にスパイ容疑などで逮捕された。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのモスクワ特派員、エバン・ゲルシコビッチ氏は昨年3月30日、スパイ容疑でロシア連邦保安庁(FSB)に逮捕された。ロシア当局は、彼がロシア軍に関する虚偽の情報を広めたとして起訴した。先月は米国とロシアの二重国籍者の女性が反逆罪で逮捕された。

パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1131966.html韓国語原文入力:2024-03-12 19:57
訳H.J

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