本文に移動

「女性が止まれば世の中も止まる」…韓国でも初の「女性たちのストライキ」

登録:2024-03-09 06:42 修正:2024-03-09 07:11
「国際女性デー」を迎えた8日午後、ソウル鍾路区の普信閣の入り口で女性労働者が韓国では初めて「3・8女性たちのストライキ」を開催し、性別賃金格差の解消とケア労働の公共性の強化、雇用安定と非正規職の撤廃などを求めている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 「墜落事故を防止する安全手すりを設置し、安全帯の着用さえきちんとすれば、女性もいくらでも高層階で働くことができるのに、『保護』を名目に女性はこれらの業務から排除されることがよくあります」

 シン・ヨノクさん(51)は今年で7年間、「型枠大工」として建設現場で働いている。シンさんが働き始めた2017年に17万8千人に過ぎなかった女性建設労働者は、昨年には23万6千人へと32.6%も増加した。だが、建設労働者全体の中で占める比率はこの期間中2ポイント(9.1→11.1%)増に止まった。10人中9人が男性である建設現場は依然として「男性中心的」だ。

 「国際女性デー」を迎えた8日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の普信閣(ポシンガク)前で会ったシンさんは建設現場のこのような「性差別文化」に対するもどかしさを打ち明けた。前日、英国の時事週刊誌「エコノミスト」が女性の労働参加率と男女高等教育・所得格差などを反映して算定し発表した「ガラスの天井指数」によると、韓国は調査対象29カ国中29位だった。同調査が始まった2013年以後、ずっと「不動の最下位」を守っている。シンさんはここで開かれた「女性たちのストライキ」に参加し、「女性が止まれば世の中も止まる」というスローガンを叫んだ。

 女性たちのストライキは1975年10月、アイスランドで初めて性別賃金格差解消を叫び女性労働者の90%がストライキを行ったことを機に始まった。昨年、職場と家庭で起きている性差別の解消を掲げて行われたアイスランド女性たちのストライキには、カトリン・ヤコブスドッティル首相も仕事を休んで参加し、話題を呼んだ。

「国際女性デー」を迎えた8日午後、ソウル鍾路区の普信閣の入り口で女性労働者が韓国では初めて「3・8女性たちのストライキ」を開催し、性別賃金格差の解消とケア労働の公共性の強化、雇用安定と非正規職の撤廃などを求めている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 韓国で女性たちのストライキが開催されたのは今回が初めて。この日の現場には金属労組KEC支会と公共運輸労組健康保険顧客センター支部労働者をはじめ、療養保護士や清掃労働者など女性700人余りが仕事を休み、街頭に出てきた。特にKEC支会と健保顧客センター支部の労働者たちは平日のこの日、「一日ストライキ」を宣言した。

 この内、半導体部品製造会社であるKECは、男性の新規採用者に女性の新規採用者(J1)より高い等級(J2)を与え、女性労働者を一定等級(S)の昇格から排除するなど、2019年に国家人権委員会から差別是正を勧告された会社だ。KECのキム・ジナ支会長は「是正勧告以後、女性1、2人がS等級に昇給されたが、依然として道のりは長い」とし、「『事業主は同じ事業内の同一価値労働に対して同じ賃金を支給しなければならない』と法に明示されているにもかかわらず、依然として数多くの女性たちが(仕事場で)差別を受けている」と語った。

 女性たちのストライキに参加した人たちは同日、性別賃金格差の解消▽ケア労働の公共性の強化▽働くすべての人々の労働権の保障▽妊娠中絶に健康保険の適用および流産誘導剤(経口中絶薬)を導入(女性労働者の性・再生産権を保障する安全な労働環境の構築と関連し)▽最低賃金引き上げを社会に要求した。

 一方、同日の女性たちのストライキの他にも、韓国女性団体連合主催によりソウル清渓広場で開かれた「第39回韓国女性大会」では、「3・8権利宣言」が発表された。広場に集まった市民は、すべての人の平等な市民的暮らし▽ジェンダー暴力のない尊厳の認められた日常と権利▽皆が平等に働く権利の保障などを求めた。

オ・セジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/1131511.html韓国語原文入力:2024-03-08 23:41
訳H.J

関連記事