本文に移動
全体  > 経済

北朝鮮の大気汚染は5年以上減少…環境政策?経済低迷の証拠

登録:2024-02-07 06:27 修正:2024-02-07 07:21
1月16日、京畿道坡州市の烏頭山統一展望台から眺めた北朝鮮の黄海北道開豊郡一帯で住民たちが行き来している/聯合ニュース

 人工衛星で測定した大気汚染物質の排出量の傾向で、北朝鮮の最近の経済状況を測定した研究結果が出て、注目を集めている。北朝鮮の主な経済活動地域から排出された公害物質量はこの5年間減少し続けており、北朝鮮の経済が依然として低迷から抜け出せずにいるものとみられる。北朝鮮の経済状況は韓国の安全保障と直結しているため重要性が高いが、公式の指標が発表されていないため、実体を十分把握することは容易ではない。

 韓国開発研究院(KDI)が最近発行した「北朝鮮経済レビュー」1月号によると、産業やエネルギー、軍需、交通などにわたる北朝鮮の主な経済活動地域51カ所の公害物質(二酸化窒素・NO2)排出は、2018年5月から2023年12月にかけて減少を続けてきた。経済活動が活発であるほど公害物質の排出が増えると仮定すれば、北朝鮮経済は新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、持続的に悪化しているといえる。

 公害物質の排出傾向から判断した北朝鮮の経済状況は、韓国銀行が毎年7月に発表する北朝鮮の経済成長率推定値の流れと似ている。北朝鮮の国内総生産(GDP)は、2018年に4.5%減少した後、2019年には0.4%に持ち直したが、2020年からは3年連続マイナスだ。同期間中、食糧問題など北朝鮮住民の生活が一層疲弊したことを意味する。

 ただし、同報告書は北朝鮮が経済低迷から抜け出すための努力を少しずつ見せているとみた。今回の研究で補助データとして使われた夜間照度の流れがその根拠だ。夜間に人工衛星が撮影した北朝鮮地域の明るさを測定した情報値だ。夜間照度は2021年まで公害物質と同様に下落傾向にあったが、2022年からは流れを変え2023年末まで上昇した。KDIのイ・ソク先任研究委員は「汚染物質の排出量をみると、北朝鮮経済が依然として低迷から抜け出せずにいることがわかる。しかし、夜間照度の上昇を通じて、北朝鮮が経済回復のために多方面で努力する姿を見せていると解釈できる」と語った。

 北朝鮮経済については、情報が限られているため、その実状を十分に把握することが難しい。これを踏まえ、研究者たちは船舶およびバス、トラックの移動、夜間照度など非伝統的な情報を通じて限界を補う試みを続けている。イ先任研究委員は「北朝鮮経済は情報が足りないため、同じデータでも正反対の解釈をする場合もある」とし、「このような隔たりを埋めるために、汚染物質データを活用して新しい観点を提示するための試み」だと研究の趣旨について説明した。北朝鮮の経済研究に公害物質データを活用したのは今回が初めて。

アン・テホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1127486.html韓国語原文入力:2024-02-06 16:24
訳H.J

関連記事