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NLLを越えた北朝鮮の船、韓国軍は3時間以上気づかず…「警戒失敗」の議論再燃

登録:2023-10-25 06:41 修正:2023-10-25 08:48
北朝鮮住民4人が24日、小型木造船に乗って東海の北方限界線(NLL)を超え、束草沖で韓国の漁船に発見された中、韓国軍当局が木造船(赤色の円)を襄陽郡の基士門港に曳航している/聯合ニュース

 身元不明の北朝鮮住民4人が24日、小型の木造船に乗って東海(トンヘ)の北方限界線(NLL)を越え、江原道束草(ソクチョ)沖で韓国の漁船に発見された。彼らは当局に亡命の意思を明らかにしたという。この日、韓国海洋警察は通報を受けて出動した後に北朝鮮の木造船を発見しており、軍の海上・海岸警戒システムが正常に作動したかどうかをめぐり議論が起きている。

 海洋警察は同日、報道資料を発表し、「午前7時10分頃、束草の東約11キロ沖で操業中だった韓国の漁船が北朝鮮の小木造船を発見した」とし、「通報を受けて直ちに出動した束草海洋警察の巡察艇が、現場で北朝鮮住民4人が乗船中であることを確認し、政府合同情報調査チームに引き渡した」と明らかにした。乗船していた北朝鮮住民は男性1人、女性3人だという。

 彼らを発見して通報したイム・ジェギルさん(60)はインタビューで、「『北朝鮮から来たのか』と聞くと、うなずいた。それで『とにかくよく来た』と声をかけた」と語った。イムさんは、一人で操業していたところ、暗い色を使っているなど、韓国漁船とは違う不審な船1隻を発見し、北朝鮮側の船だと直感して水協中央会の束草漁船安全操業局に通報したという。

 この日、北朝鮮の木造船はNLLから40~50キロメートル以南の束草東方の海上まで来たが、軍当局は監視装備で異常兆候を捉えたにもかかわらず、3時間以上にわたりこれが船であることを把握できなかった。また、軍当局は通報されるまで北朝鮮の木造船を見つけられなかった。

 にもかかわらず、軍当局は「海上探知・追跡システムは正常に作動した」とし、「午前4時以前から東海のNLL以北の海上で特異な兆候があり、様々な状況に備えて作戦的措置を取っていた」と説明した。軍関係者は「NLL以北で北朝鮮軍が何かを探しているような動向があり、南下の可能性に備えて海軍の艦艇と海上哨戒機(P3C)がNLL付近で探索作戦を展開していた」と語った。北朝鮮側の動きを事前に把握していたことを強調したのだ。

 合同参謀本部の関係者は、「午前5時30分頃、陸軍の海岸警戒レーダーに束草北東10マイル(16.1キロメートル)以上の海上に未詳の標的を探知した」とし、「低速で一定速度で動く標的を追跡し、海軍と情報をリアルタイムで共有した」と語った。その後、午前6時30分頃、標的がもう少し内海に接近し、陸軍海岸警戒所の熱相監視装備(TOD)がこの標的を追跡し、午前6時59分頃に疑わしい船舶と判断したという。

 管轄の陸軍3軍団では、危機措置機構(初期対応チーム)が運用され、軍が標的を監視し続けていたと主張している。この過程で木造船を発見したという通報があったというのが軍当局の説明だ。軍当局は、もし北朝鮮の木造船がもう少し海岸に接近していたら、住民の通報がなくても、海軍高速艇が出動し異常の有無を確認する後続措置が取られただろうと主張した。

 これは2019年6月、北朝鮮の木造船の「三陟(サムチョク)港亡命」の時に起きた警戒失敗をめぐる議論を意識したものとみられる。同年6月15日、北朝鮮の小型木造船が東海のNLLを超えて、3日間東海上に留まっていたにもかかわらず、軍当局は三陟港に入り住民の通報があるまで、このような事実を全く把握していなかった。当時、軍警の海上・海岸警戒網が全く作動せず、イ・ナギョン首相とチョン・ギョンドゥ国防部長官が国民に謝罪した。合同参謀本部は「今回の小型木造船は長さが7.5メートルで、三陟港に亡命した船(10メートル)より小型だった」とし、「当時より小さい船だったが発見した」と強調した。

 同日、忠清南道鶏龍台(ケリョンデ)で開かれた国会国防委員会の海軍本部国政監査で、野党「共に民主党」のキ・ドンミン議員が「北朝鮮の木造船を発見できず、警戒に失敗したのではないかという不安の声もある」と指摘した。これに対し軍関係者は「2019年6月には北朝鮮の木造船が三陟港に入ってくるまで軍当局が全く知らなかったが、今回は探知・追跡し異常船舶と判断し手続きに従った措置を取っていた」と答弁した。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1113450.html韓国語原文入力:2023-10-24 22:09
訳H.J

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