大統領官邸の選定過程に易占術師の天供(チョンゴン)氏が介入したという疑惑と関連し、警察は天供氏ではない別の風水専門家が陸軍参謀総長公館を訪問していたことを確認し、捜査にあたっている。
21日のハンギョレの取材を総合すると、ソウル警察庁サイバー犯罪捜査隊は、昨年3月に風水専門家で観相師のサイバー韓国外国語大学のペク・チェグォン兼任教授が陸軍参謀総長公館を訪れていたことを確認し、捜査にあたっている。警察は、その当時に大統領府龍山(ヨンサン)移転タスクフォース(TF)のチーム長だった国民の力のユン・ハンホン議員、副チーム長だったキム・ヨンヒョン警護処長らが同行したとみている。
警察は、天供氏による大統領官邸選定疑惑の捜査の一環として、昨年3月に陸軍参謀総長公館の防犯カメラ(CCTV)の映像を全数調査する過程で、ペク教授が訪問していたことをつかんだ。警察は4月の記者懇談会で「4テラバイト、映画2000本ほどの分量のCCTV映像を確認したが、天供氏に関する映像は全くないことが確認された」と述べているが、この過程で天供氏ではなく「第2の人物」がとらえられたのだ。警察は、当時の訪問客および彼らと接触した軍関係者らを参考人として調査し、ペク教授が立ち入ったかどうかを確認したという。
民主党はこの日、クォン・チルスン首席報道担当名義で書面ブリーフィングを行い、大統領官邸の選定過程に風水専門家が介入したことを批判した。民主党は「ペク教授を隠しておいて天供は来なかったと強く否定していた大統領室の態度は、国民を軽んじたと考えざるを得ない」、「大統領室はペク教授にどのような資格で大統領官邸の敷地を踏査させたのか、ペク氏の踏査と警護室長の帯同は誰の指示だったのかを明らかにしなければならない」と述べた。
天供官邸介入疑惑問題は、昨年12月に正義党のキム・ジョンデ前議員が放送家のキム・オジュンさんと行ったインタビューで初めて提起してからふくらんだ。続いてプ・スンチャン元国防部報道官も今年2月に出版した自著で、昨年4月1日にナム・ヨンシン陸軍参謀総長(当時)が自身に「天供と大統領職引き継ぎ委員会の幹部が陸軍参謀総長公館と国防部営内の陸軍ソウル本部を訪ねてきた」と言っていたと記している。大統領室は同疑惑を否定しつつ、キム前議員とキム・オジュンさん、プ元報道官、同疑惑を最初に報道した記者をそれぞれ名誉毀損で告発している。