十分に防げたはずだった。しかし錦江(クムガン)の洪水統制所が事故の4時間前に発表した洪水警報と2時間前に電話で行った避難要請にもかかわらず、管轄の地方自治体は何の措置も取らなかった。水が堤防を越えて道路に押し寄せているにもかかわらず、地域の道路管理事業所はCCTV(防犯カメラ)ばかりを眺めていた。その間に、地下車道にさしかかった15台を超える車が滝のように流れ込んできた泥水になすすべなくつかった。15日朝、忠清北道清州市五松邑宮坪(チョンジュシ・オソンウプ・クンピョン)の第2地下車道で、わずか5分あまりの間にそれは起きた。同地下車道で確認されたのは、死者だけで13人だ。今月9日から降り続いた雨により、全国で39人が死亡し、9人が行方不明になっている。
土砂崩れによる被害は、13日からの4日間で200~300ミリの雨が降った醴泉(イェチョン)、栄州(ヨンジュ)、奉化(ポンファ)など慶尚北道北部で大きかった。ほとんどは山が多く斜面や谷の周辺に小さな村が散在している山村地形で、長時間続いた雨で緩み、重くなった斜面が崩れ、家屋と道路を襲った。慶尚北道の暫定集計によると、16日午後9時までの慶尚北道地域の人命被害は死者19人、行方不明者8人、けが人17人。消防当局は行方不明者が発生した慶尚北道醴泉郡孝子面白石里(ヒョジャミョン・ペクソンニ)、殷豊面(ウンプンミョン)の金谷里(クムゴンニ)と殷山里(ウンサンニ)、甘川面(カムチョンミョン)の真坪里(チンピョンニ)と閥方里(ポルバンニ)の5地域に消防人員686人、軍人と警官1016人の計1702人を投入している。
土砂崩れと浸水の恐れがあるため避難した住民は、全国111の市郡区で6255世帯1万570人。
雨の被害が大きかった忠清道と慶尚北道地域には、17~18日にも多くの雨が降ると予想される。気象庁は「忠清圏、全羅圏、慶尚圏、済州道の山地には100~250ミリの降雨が予想される」とし「特に忠清圏と全羅北道、慶尚北道の北部内陸には、最大で300ミリ以上の降雨が予想される」と発表している。