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米日首脳、朝中ロけん制で密着…韓米日3カ国協力を強調

登録:2023-05-19 06:29 修正:2023-05-19 07:35
米国のジョー・バイデン大統領(左)が18日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれる日本の広島で、日本の岸田文雄と4カ月ぶりに首脳会談を開いた。G7サミットは19日から3日間開かれる=広島/AP・聯合ニュース

 「今年1月にホワイトハウスを訪問した時、あなたは私たちが最近最も複雑な安保環境に直面していると言った。米日がそれに対応していることを誇りに思っている」(米国のジョー・バイデン大統領)

 「日米同盟はインド太平洋地域の平和と安定の礎だ。日米協力が飛躍的に発展していることを歓迎する」(日本の岸田文雄首相)

 18日午後6時2分。バイデン大統領は、世界初の被爆地である広島で顔を合わせた岸田首相と笑顔で握手を交わした。19~21日に予定されている主要7カ国首脳会議(G7サミット)を控え、4カ月ぶりに会った米日首脳は、北朝鮮の核・ミサイル脅威、中国の強圧的行動、ロシアのウクライナ侵攻など両国が直面している安保懸案に対応するため、協力を強化していくことで一致した。また、インド太平洋経済枠組み(IPEF)などを通じた経済協力や、エネルギー、半導体、重要鉱物などのサプライチェーンを強化するなど、経済安保における協力もさらに深めていくことにした。

 バイデン大統領は1月にワシントンを訪問した岸田首相と会談した際、「敵基地攻撃能力」(反撃能力)を保有し、防衛費を2倍以上引き上げるという日本の計画について、「歴史的」決断だと評価し、全面的な支持を示した。さらに両首脳は、韓国を含む韓米日3カ国の協力を強化していくことで意見の一致をみた。米日が作り上げたこの流れに沿って、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は3月、国内の激しい反対世論を押し切り韓日間の核心懸案だった「強制動員被害者」賠償問題に対する譲歩案を出した。

 ホワイトハウスは会談後、資料を出し、両首脳が「インド太平洋地域で特に韓国、そしてインド・オーストラリアなどクアッド(Quad)国家と多国間協力の重要性を強調した」と明らかにした。さらに、バイデン大統領が「地域の安定と繁栄に寄与する韓国との関係を改善しようとする岸田首相の勇気ある努力を称えた」と伝えた。日本外務省も会談後の報道資料で、「岸田総理大臣から、今月上旬の訪韓に触れつつ、日韓関係を更に進展させていく旨を述べたのに対し、バイデン大統領から、日韓関係の改善を歓迎する旨を述べた」と伝えた。

 両首脳が同日、韓日関係改善の重要性を繰り返し強調したことで、韓米日3カ国協力の強化に向けた取り組みに一層弾みがつくものとみられる。これと関連し、ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安保担当)は17日、日本に向かう大統領専用機で「韓日と3カ国首脳会談を行うのか」という質問に対し、「米国の支援のもとで韓国と日本が成し遂げた実質的な(関係の)進展を認めるため、3カ国とも会談をしようという意志がある」とし、「ぎっしり詰まったスケジュールの中で時間を設けることができれば、3カ国会談を行う」と述べた。だが「スケジュールがいっぱいなので確定的に言うことはできない」と付け加えた。会談を必ず開きたいが、バイデン大統領の日程があまりにも多く、まだ日時を確定できないという意味だ。

 3カ国首脳はまもなく行われる首脳会談で、米国を経由し北朝鮮のミサイルを探知・追尾する韓日のレーダー情報をリアルタイムで共有する問題について、合意を導き出す見通しだ。これに先立ち、3カ国は先月14日に開かれた韓米日安保会議(DTT)で、北朝鮮が発射したミサイル警報情報をリアルタイムで共有するため、韓米日情報共有に関する防衛当局間取り決め(TISA)を含む既存の体系を最大限活用する案について協議した。読売新聞は9日、今回の韓日米首脳会談でレーダー情報共有と関連して「調整状況を最終確認」し、来月2~4日シンガポールで開かれるアジア安保会議(シャングリラ・ダイアローグ)で大筋合意を目指すと報じた。

 日本到着初日に米日首脳会談を終えたバイデン大統領は、19日から3日間、G7サミットと関連した実務会議や夕食会、記者会見などに出席する。米国は17日、バイデン大統領が連邦政府の債務上限の引き上げをめぐる交渉を理由に日本だけを訪問することにしたとし、予定されていたパプアニューギニアとオーストラリア歴訪の日程を取り消した。バイデン大統領の事情で、3カ国首脳会談は実現しても、非常に短く開かれる見込みだ。

 韓米日は昨年11月、カンボジアのプノンペンで開かれた3カ国首脳会談でも15分にわたる短い会談を通じて、3カ国が今後朝鮮半島などの地域懸案に限らず、グローバルな懸案に対し全面的に協力するという内容の「プノンペン声明」を発表した。韓国は今回も前回のように短い会談を通じて、米日のミサイル防衛(MD)網に編入される「第一歩」を踏み出すものとみられる。中国はこれを韓国が2017年末に約束した3不(三つのノー:THAADを追加配備せず、米国のミサイル防衛システムに参加せず、韓米日軍事同盟を結ばない)を損なうものとして受け止める可能性がある。会談後、韓中関係で試練が予想される。

ワシントン/イ・ボニョン特派員、広島/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1092414.html韓国語原文入力:2023-05-19 02:45
訳H.J

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