ソウル市は、梨泰院(イテウォン)惨事の遺族がソウル広場に設置した焼香所を8日までに自主撤去しない場合、行政代執行を実施するという2度目の戒告状を出した。
ソウル市は6日午後5時30分、ソウル広場に設置された焼香所の遺族と市民団体に対し、このような内容の戒告状を手渡した。8日午後1時までに自主撤去しない場合は、行政代執行による強制撤去が行われる。遺族と市民団体はソウル市の戒告状の受け取りを拒否した。
戒告状を手渡した直後、ソウル市のオ・シンファン政務副市長は立場を文書で表明し、その中で「政界の一部は遺族の悲しみを云々しつつ、ソウル市が温情を示すよう主張している。公共施設の不法占拠行為が温情の対象になることに同意するという意味か」とし、「法執行機関としてソウル市には断固とした原則がある。いかなる大義名分によっても事前通知さえなしに違法、無断、奇襲的に設置された施設に対しては、事後に許可はできないということ」と強調した。また「奇襲的で違法に広場を占有した施設を温情だけで放置した場合、それは公共施設管理の原則の放棄であり、無秩序を統制できなくなる」とし、「ソウル広場を利用する市民の安全が保障できず、市民同士の衝突の可能性も懸念される」と付け加えた。
梨泰院惨事遺族協議会は4日、梨泰院惨事100日追悼大会を行い、龍山区(ヨンサング)の緑莎坪(ノクサピョン)駅近くの梨泰院公園の合同焼香所からソウル広場へと行進し、その後、同広場に追悼焼香所を設置した。ソウル市は遺族側に、この日午後1時までに自主撤去しなければ行政代執行に入るとする最初の戒告状を送ったが、撤去は留保した。ソウル市のイ・ドンニュル報道官は「関連規定上、許可を受けずに設置された施設に対しては法令と判例に則って措置を取る。最近の判例を見ると2回以上の戒告を要件としている」と述べた。