英国が飼いネコの登録を義務化する法案を推進している。
英国日刊紙「ガーディアン」は10日(現地時間)、英国の数百万のネコの飼い主は、今後はネコの動物登録のためにマイクロチップを装着しなければならなくなると報じた。法案は、英国内でドライバーがネコを車で轢いた際に停止して申告するようにする内容を含めた英国の運輸相の発議案に加えられ、今後数週間以内に議会に提出される予定だ。
これに先立ち、英国政府は昨年12月、飼いネコの動物登録の義務化を導入することを発表した。この法案には、ネコを飼おうとするすべての飼い主は、生後20週目になる前にマイクロチップを装着しなければならない。未登録が確認された場合、飼い主は21日以内に登録を完了しなければならない。そうしない場合は500ポンド(約8万円)の罰金が科せられる。
ネコの動物登録の義務化は、英国が昨年5月に発表した動物福利(アニマルウェルフェア)計画(Action Plan for Animal Welfare)の中心的な政策の一つで、英国国民の99%もこうした内容に賛成していることが明らかになった。英国政府によると、英国内の飼いネコの数は1080万匹以上で、このうち280万匹は動物登録がされていない状態にある。特に、新型コロナによるロックダウン期間中だけで飼いネコは260万匹以上増えたと推算されるが、これは、英国内のすべてのネコの4分の1を越える数だ。
英国が飼いネコの登録義務化を施行しようとする背景には、迷いネコを減らし、道路上での死亡事故や動物拉致などに対応しようとする目的がある。欧州と英国では韓国と違い、ネコが室内だけでなく外部に出入りして「外飼いネコ」として過ごすケースがよくある。そのため、意図せず道に迷ったり、不意な交通事故に遭った場合、飼い主にその事実を知らせる必要性がある。
また、ペットを迎え入れる手続きが難しいため、ペットの拉致が頻繁になったことも、理由の一つだ。英国では、コロナ禍の期間中にネコの拉致事件が急増し、2021年4月の英国警察の資料によると、その数は過去5年間でほぼ3倍に増加した。英国は2018年8月から、ペットショップなどの第三者が幼い動物を販売することを禁止した。ペットを迎え入れるには、専門の繁殖業者(ブリーダー)や動物保護団体を通じなければならない。
英国政府は、今回の措置が動物福祉に肯定的な影響を及ぼすことになると述べた。動物福祉省のゴールドスミス長官は「マイクロチップの装着は、ネコが行方不明になったり拉致された場合に取り戻せる最も良い方法だ。飼いネコの登録義務化は、英国内の数百万匹のネコを保護し、福祉を向上させることに大いに役立つだろう」と述べた。
一方、英国は、飼いイヌについては、すべてのイヌに対して動物登録をするようにしている。韓国と同様にマイクロチップ(認識チップ)と認識票の2つの方法を施行中で、認識チップはすべてのイヌが装着しなければならず、外出の際には飼い主の連絡先と登録番号が刻まれた認識票を必ず着用するようにしており、2つの方法が併用されている。飼い主はイヌが生まれてから8週間以内に義務的に動物登録をしなければならず、ブリーダーの場合は、データベースに免許番号を登録するようにしている。
韓国の「動物福祉問題研究所アウェア」のイ・ヒョンジュ代表は「最近実施した『2022年動物福祉に対する国民認識調査』によると、韓国でも飼いネコ登録制に賛成する割合が83.5%に達した。飼いイヌの動物登録義務化をすべてのイヌに拡大する一方、ネコの登録義務化についての議論を始める必要がある」と伝えた。