本文に移動

習近平思想、共同富裕、中国の夢…「2049年に米国を超える」

登録:2022-10-17 10:48 修正:2022-10-17 12:14
中国共産党第20回全国代表大会(第20回党大会)が開幕した16日、北京である市民が習近平国家主席の演説が中継される電光掲示板を眺めている/AFP・聯合ニュース

 16日、中国の北京人民大会堂で開幕した中国共産党第20回全国代表大会(第20回党大会)のハイライトは、習近平国家主席の業務報告だった。習主席は1時間45分間朗読した業務報告を通じて、自身の任期の過去10年間の中国共産党の成果と業績を紹介し、今後5年間の中国内外の政策方向がどこに向かうのかを具体的に明らかにした。

 専門家らは、共産党一党独裁体制で長期計画と目標を立てて推進する国家らしく、今回の業務報告で共産党がこれまで出した政策や目標から大きく外れた点はなかったと評価した。習主席は同日、党を中心に団結し、経済的不平等と台湾問題など国内外の挑戦課題を克服し、建国100年を迎える2049年に米国を凌駕する超大国になるという目標を掲げた。

習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想

 政治分野で最も目を引くのは「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」(習近平思想)と、共産党指導体制に対する強調だった。習近平思想は2017年11月の第19回党大会で初めて登場し、中国共産党の憲法格である「党章」に追加された。党章に本人の名前のついた「思想」が明記されたのは中国の国父である毛沢東と習主席の二人だけだ。習主席が改革開放の父である鄧小平まで越えたという評価が出ているのはそのためだ。

 習主席は「(この思想を)全面的に貫徹し、政治・経済などの危機と挑戦を乗り越え、党と国家事業で歴史的な成果を成し遂げた」とし、「党の全面的な領導を強化し、社会主義の現代化建設を正しい方向に進むようにしなければならない」と述べた。この5年間で中国が成し遂げた成果の土台には習近平思想があり、党を中心にこれをさらに強化していくという意思を明らかにしたのだ。これはまもなく確定する予定の習主席の3期目入りと相まって、中国で習主席と党を中心とした体制がさらに強化されることを予告している。同日、習主席は習近平思想の公式名称である「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」から本人の名前である「習近平」を除いて「新時代の中国の特色ある社会主義思想」と表現し、注目を集めた。

共同富裕

 社会・経済分野では「共同富裕」に対する強調が目立つ。習主席は同日「中国式現代化は、全人民の共同富裕を実現する現代化」だとし、「全人民の共同富裕の促進に努めなければならず、二極化を決然と防止しなければならない」と明らかにした。習主席は具体的に「分配制度は共同富裕を促進する基礎的制度」だとして「労働にともなう分配を主体とし、1次分配、2次分配、3次分配が調和して体系を成す制度体系を構築しなければならない」と付け加えた。1次分配は労働、2次分配は税金と社会福祉、3次分配は寄付などを活用した分配を意味する。

 共同富裕は共産主義思想の基本として毛沢東が初めて提唱した。建国初期は立ち遅れた経済状況が続いたためスローガンに過ぎず、1978年の改革開放以降は「まず豊かに暮らそう」という先富論が優先され後回しにされた。2000年代に入って中国の高度成長が続き、最近では経済不均衡が社会の安定を脅かすほど深刻化し、共同富裕が主要な話題として登場した。2020年3月、李克強首相は中国の経済成果を説明しつつ「6億人の月収が1千元(20万ウォン)にしかならない」と述べた。

中国の夢

 2013年3月に習主席が国家主席職に就いてから掲げ始めた「中国の夢」も、再び核心の話題として強調された。習主席は業務報告の始まりと終わりで、中国共産党の究極的目標は「中華民族の偉大なる復興を成し遂げる」ことだと述べた。中華民族の復興を「中国の夢」という言葉に盛り込み、国民の団結を図り、支持を引き出そうとしたのだ。中国の夢は第1段階として2021年に「小康社会」をつくり、第2段階として2035年に社会主義現代化国家を建設し、最後に建国100周年である2049年に全面的な社会主義現代化国家を建設することを目標としている。小康社会は生計を立てる問題が解決された国家を意味し、「全面的な社会主義現代化国家」は経済・軍事・外交などすべての面で米国を越える世界最強大国を意味する。

 習国家主席は同日、台湾に対しても「平和統一というビジョンのために最大限の誠意と努力を堅持するが、武力使用を絶対にあきらめず、すべての必要な措置ができるオプションを持つ」と述べた。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1062915.html韓国語原文入力:2022-10-17 08:48
訳C.M

関連記事