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慰安婦・強制動員問題の進展ないのに…韓米日共同訓練「2017年以前の水準に復元」

登録:2022-09-30 05:58 修正:2022-10-07 10:26
韓米共同海上演習に参加した両国海軍艦艇が29日、東海上で機動訓練を行っている。手前は米原子力推進空母「ロナルド・レーガン」(CVN)が航海する様子=韓国海軍提供//ハンギョレ新聞社

 韓国海軍は29日、東海公海上で米国、日本とともに対潜戦(敵の潜水艦の発見・撃破)訓練を実施する予定だと明らかにした。

 海軍は同日、報道資料を発表し、「今回の訓練は、相次ぐ弾道ミサイル発射など北朝鮮の核・ミサイル脅威が続く状況で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の能力高度化など漸増する北朝鮮の潜水艦の脅威に対する対応能力を強化するためのもの」だと説明した。

 今回の訓練には、韓国海軍の韓国型駆逐艦「文武大王」と米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」、巡洋艦「チャンスラーズビル」、イージス駆逐艦「バリー」、日本海上自衛隊の駆逐艦「あさひ」が参加する。訓練は各国から参加する軍艦などが潜水艦を探索・識別・追跡しながら、関連情報を相互交換する形で行われる。

 韓米日が公海で海上共同訓練を行うのは2017年4月3日以後5年ぶり。共に民主党のアン・ギュベク議員は前日、フェイスブックへの書き込みで、今回の訓練が独島(ドクト)からわずか150キロメートルしか離れていない海で行われるという点を指摘し、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は朝鮮半島有事の際に自衛隊の介入を許すのか」と批判した。

 国防部は同日、「立場資料」を発表し、「今回の訓練は、北朝鮮の核・ミサイル対応のための韓米日軍事協力を2017年以前の水準に復元していくという国防部の措置の一環であり、特にSLBMの発射能力を備えた北朝鮮の潜水艦に対する探索・識別と追跡能力を向上させるために進めるもの」だと明らかにした。

 特に「なぜ独島付近で訓練するのか」という批判に対して、「北朝鮮のSLBMの脅威と潜水艦の主要活動予想海域を考慮し、東海上の公海区域を選んだ」と説明した。統一研究院のイ・ギテ研究委員も「米国は北朝鮮の潜水艦が東海を通り太平洋に進入し、自国本土および自国領に最大限近接した後、SLBMを発射することを最も警戒している」とし、「韓米日が東海で訓練するのもそのため」だと述べた。しかし、元外交安保当局者は「今回の訓練の核心は韓米日が共に対中国圧迫に乗り出すことだ。米国の長年の宿願事業が始まるものとみられる」と語った。

 「韓米日軍事協力を2017年以前の水準に復元」するという国防部の発想については、「国民感情を無視した一方的な対日譲歩」という批判の声もあがっている。元外交安保当局者は「慰安婦問題と強制動員問題など韓日関係の懸案が一つも解決しておらず、日本は態度を変えるつもりが全くないようだ。その上、日本は独島に対する領土的野心まで見せる国だ」とし、「そのような国と、しかも独島のある東海で軍事訓練をすることに対して、世論は敏感にならざるを得ない」と指摘した。

クォン・ヒョクチョル、チョン・インファン、シン・ヒョンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1060705.html韓国語原文入:2022-09-30 02:46
訳H.J

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