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トヨタ事態の共犯, 巨大言論・出版

登録:2010-02-21 08:40

原文入力:2010-02-19午後07:28:30(1428字)

←ハン・ギホ 韓国出版マーケティング研究所長

ハン・ギホの出版展望台

トヨタ自動車は浪費が徹底して排除された自動化と‘ジャストインタイム生産追求,自ら標準を確立する現場主義,社会的責任意識強調’等、世界最高経営方式を追求する企業と崇められてきた。だが代表的なハイブリッドカー プリウスの全世界的なリコール事態が勃発し危機を迎えている。豊田章男 現社長が米国議会聴聞会への出席圧迫を受ける屈辱を甘受しなければならないという話だ。

日本社会は本当に真実を知らなかったのだろうか?インターネット新聞<マイニュースジャパン>(MyNewsJapan)の代表であり編集長の渡邉正裕と週刊誌出身のジャーナリスト林克明の共著<トヨタの闇-利益2兆円の「犠牲」になる人々>は、すでにトヨタ車種の加速ペダル誤作動問題に言及した。

2007年初めに出版され国内(韓国)出版を前にしているこの本では、トヨタの内部矛盾と度を越した効率優先主義による品質軽視風潮,非人間的な海外支社運営で沸き立つ非難世論,金儲け第一主義にともなう自動車品質低下による安全事故などを細かく指摘し統制なき資本の疾走が破滅を呼び起こしていることを警告した。

その警告はわずか2年2ヶ月ぶりに現実となった。だがより一層大きな問題は、言論・出版の態度だ。2007年にリコールを実施するほどの状況であったのに<読売> <朝日> <毎日>の3大言論はもちろん<日本経済> <産経>もこれに関し報道しなかった。雑誌広告に経営を頼らなければならない大型出版社も、トヨタの誤りを隠ぺいしてあげることに汲々とした。年間1000億円を遥かに越える日本最大の広告宣伝費に首輪を捕えられた報道機関と出版が、トヨタの経営者を助ける偏向的報道ばかりを吐き出した結果、こういう災いを大きくしたのだ。

現場調査報道が際立って見えるこの本の行間には、心よりトヨタと日本を愛する著者たちの心が読まれる。この本の共同著者が活動した舞台は、2004年に営業を開始した一部有料会員制のジャーナリズム インターネット新聞<マイニュース ジャパン>だ。広告に全く頼らない小規模言論が真の言論の役割を自認したわけだ。

第5のメディアというブログは5億ヶと推定される。すでにほとんどすべてのベストセラーはアルファ ブロガーの影響圏下にある。加えて140字の短い文ですばやく便りを伝えるツイーターの威力も急速に大きくなっている。

最近キム・ヨンチョル弁護士の<三星を考える>(社会評論)は多くの言論が広告掲載を拒否したが、ツイーターに文を載せたことに力づけられ、半月で6万部が売れたという。
私はこの本で事例として挙げたトヨタを、我が国の代表企業の名前に変えて読んでも差し支えないと考えた。今や我が国大企業らも報道機関と出版,インターネット市場などに天文学的な広告宣伝費を投じ、あらゆる不正と醜悪な不恰好を包装することに汲々とするのではなく、根源的な企業風土刷新に出るべきだろう。それだけが小さくとも大きなことをやり遂げる新しいメディアの挑戦を克服する唯一の道であるからだ。

ハン・ギホ韓国出版マーケティング研究所所長

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/405698.html 訳J.S