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韓国外相、「GSOMIAの早期正常化望む」…韓日軍事協力の復元なるか

登録:2022-06-15 06:22 修正:2022-06-15 07:41
第19回アジア安全保障会議(シャングリラ対話)に出席中のイ・ジョンソプ国防長官(右)が11日、シンガポールのシャングリラホテルで米国のロイド・オースティン国防長官(中央)、日本の岸信夫防衛相との韓日米防衛相会談に先立ち、記念撮影をしている=シンガポール/聯合ニュース

 パク・チン外交長官が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を「できるだけ早く正常化する」と述べた。しばらく中断されていた韓日間の軍事協力の再開に向けた動きが本格的に始まるものとみられる。

 パク長官は13日(現地時間)、ワシントンでアントニー・ブリンケン米国務長官と会談した後に臨んだ記者会見で、韓日間の情報共有を復活させるのにに米国が役割を果たしているかという質問に対し、「我々は韓日関係の改善とともに、GSOMIAをできるだけ早く正常化することを望む。北朝鮮の脅威に対抗するために、韓国と日本、そして米国の間に政策の調整と情報共有が行われる必要がある」と述べた。さらに韓日間の「安全保障分野における協力と情報共有ができるだけ早く正常化することを望んでいる」と繰り返し強調した。

 パク長官の「GSOMIAの正常化」発言は大きく分けて二つの理由から注目を集めている。一つ目に、パク長官が使った「正常化」(normalization)という用語のためだ。GSOMIAは、韓日両国が敏感な軍事情報をやり取りする際、互いに順守しなければならない規定と手続きを定めたもので、それ自体が情報交換を義務付けるものではない。すなわち、GSOMIAという高速道路が開通しても、韓日両国政府が望まなければ、車の通行(情報交流)を止めることができる。

 韓日の軋轢が最高潮に達した2019年8月末当時、大統領府は「GSOMIAを3カ月後に終了する」という意向を示し、2016年11月の締結後、韓日が直接情報をやりとりしたのは29回だったと明らかにした。実際、GSOMIAを通じてやり取りした情報は多くないため、国の安全保障に穴が開くことはないという点を強調したのだ。パク長官は「正常化する」という言葉で、このような状況が「異常」という認識を示したわけだ。

 実際、今年に入って北朝鮮が相次いで弾道ミサイルを発射しているにもかかわらず、韓日軍当局は「正確には何発撃ったのか」をめぐり、数回にわたって異なる情報を公開するなど、両国の情報共有が緊密に行われていないことが露呈した。一例として、韓国合同参謀本部は5日、北朝鮮が午前9時8分頃から約35分間、平壌(ピョンヤン)・順安(スナン)など4地域で短距離弾道ミサイル(SRBM)8発を発射したと発表した。しかし日本防衛省は同日、「少なくとも6発発射した」と述べるにとどまった。それから5日後の10日午前、岸信夫防衛相は記者会見を開き、北朝鮮が「6発以外にもさらに2発発射した。この2発は極めて低い高度で短い間に飛翔したものと考えられる」と述べ、情報分析に不備があったことを認めざるを得なかった。このような問題が繰り返されたことを受け、韓米日3カ国の防衛相は11日、アジア安全保障会議を機にシンガポールで会談し、「韓米日ミサイル警報訓練と弾道ミサイル探知・追尾訓練を実施する」ことで合意した。

パク・チン外交部長官(右)が今月9日、尹錫悦大統領就任式に合わせてソウルを訪れた日本の林芳正外相と面会した。当時、パク長官は正式任命前の外交部長官候補として林外相に会った=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 二つ目に、パク長官がその一方で「韓日関係改善とともに」という留保をつけた点だ。韓日間の軍事協力は、韓国国内で世論が非常に敏感に反応する問題であり、これを本格的に薄めるためには、韓日関係が先に改善される必要があるという認識を示したわけだ。そのため、今回のアジア安全保障会議でも韓米日防衛相会談と韓中日国防相会談は開かれたが、韓日防衛相会談は開催されなかった。

 韓日関係を改善するためには、両国間の重要懸案である韓国最高裁の強制動員被害者賠償判決(2018年10月)と日本軍「慰安婦」被害者問題で意味のある妥協が実現しなければならない。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が、韓国人が敏感に考える歴史問題で日本側に譲歩し、その余勢を駆って韓日間の軍事協力に乗り出した場合、厳しい批判世論に直面する恐れがある。尹錫悦政権の高官たちが「日本の努力も必要だ」と繰り返し強調するのも、このような理由からだ。

キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1046918.html韓国語原文入力:2022-06-1414:26
訳H.J

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